「ダニエル・ウェリントン」は、創始者であるフィリップ・タイサンダー氏が世界一周の旅をしていた時に出会った英国紳士にインスピレーションを受け、2011年にスウェーデンにて誕生したファッションウォッチブランド。2014年、日本に上陸し、現在では世界100カ国以上の国で取り扱われている。
当日は『旅』をテーマにしたトークセッションも開催され、日本や世界100カ国以上を旅し続けた中田氏によって様々な思いが語られた。
---:旅をして変わったところは?
中田英寿氏(以下、敬称略):持論ですが、人間はすべて経験からなりたっている生き物。それだけに、より多くの経験をしたほうが人間として深くなるし、濃くなる。旅をすることだけがすべてじゃないが、これだけ大きな世界があって、色々な経験をする可能性があるのであれば、僕としてはできる限り色々な場所に行って、色々な人にあって…。それが自分の人生だと思っている。
---:自分の価値観が変化したことも?
中田:価値観が裏返ることはたくさんあるし、それが旅の一番の魅力だと思う。僕らは日本という非常に発達している国に住んでいるだけに、海外の先進国に行ってもあまり驚くことがない。どこにいっても同じ形があるだけ。逆に言うとアフリカ、アジア、南米などの国に行くといままでもっていた価値観が変わっていく。それこそが旅の醍醐味。そういう国に時間があれば行きたい。
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中田英寿氏
---:現在、海外に旅立つ若者が減っているようです。
中田:いまネット社会になって、自分がそこに行ったり経験しなくても、ネットで見て完結してしまう。だけど、実際に経験することと、知識として得ることは全然違う。ネットで見ただけじゃそれは自分で得ていないと同じ。
海外にいくことがすべてじゃないし、普段の生活のルートから外れることも旅だと思う。そういった意味では色々なことに挑戦するのはいつでも必要だと思う。
---:今後の中田さんの目標は?
中田:僕はあまり目標というものを決めない。そのとき自分が感じたことをやっているだけ。基本誰かがやったことをやるのが好きじゃないので、そもそも好きなことしかやらないし。いまは日本の文化というのを好きで、国内をまわったし、とにかく突き詰めて自分の世界観をつくっていくのが自分のやり方なので、これっていう具体的なものはないが、いまは日本文化を世界規模で広げていきたい。