プレミアムフライデーは定着するのか。週休二日制が夢だった時代の新聞を読む | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

プレミアムフライデーは定着するのか。週休二日制が夢だった時代の新聞を読む

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プレミアムフライデーは定着するのか。週休二日制が夢だった時代の新聞を読む
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月末の金曜日の退社時刻を午後3時に繰り上げる「プレミアムフライデー」が、2月24日から始まった。ことさら顧客への対応が必要な流通業界、飲食業界では実施が難しいようで、定着には時間がかかるような印象を受けた。

現状ではプレミアムフライデーを実施できるのは一部の企業のみであり、SNS上でしばし目につくのは「恩恵を受けるのは大企業と役人のみで、一般人は無関係で置いてけぼり」「こんな制度が定着するわけがない」などの不満の声だ。

中には「こんな中途半端な制度を導入するくらいなら、法律で週休三日制度を義務付けるべきだ」という声を挙げる人もいた。

経済含め様々な状況が大きく異なることは承知の上だが、過去には週休二日制度すら夢のまた夢という時代も確かにあった。そして今、全ての人がその制度によるメリットを享受しているとは言い難いが、多くの人が週休二日制度を一般的なものとして受け入れている。

新しく企業文化が変わる時、世間はどういった反応をしていたのだろうか。本当にプレミアムフライデーや、週休三日制度は不可能なのだろうか。東京オリンピックの年。1964年1月1日の朝日新聞には、週休二日制度に関する記事が書かれている。

高度経済成長期。「ハナよりダンゴ、ヒマよりオカネ」「週休二日制は、サラリーマンの夢」といった時代の中で、働き方についても徐々に意識が向けられてきていたようだ。少しずつ日立や東芝などの企業が隔週で土曜日を休みにしたり、一定期間だけ試験的に土曜日を毎週休みにするなどの制度改革を行い始めていた。

今回のプレミアムフライデー導入の際に「時給制で働いている人はどうするんだ」といった声があがっていたが、当時も「残業代が家計に組み込まれている。時間短縮、休日増加が家計の悩みを今より大きくするのではありがたくない」という声が多数だったよう。

他にも「連日残業して休日が二日あるというのではこれまた無意味で、毎日の働く時間が少なくなり、その結果休日が増えるというのがこの制度の本すじだ」と書かれている。

今回もプレミアムフライデーに合わせて日々の仕事量を増やす人もいたそうだが、本筋とずれているということになる。

さらには「生産性の問題、中小企業の人々との格差の問題、使われずに消えていく有給休暇の問題」が指摘されているが、それは今日でも耳が痛くなるほど指摘され続けている。

働き方に関する制度が導入される際、課題化される声の中身には、大きな変化はないのかもしれない。長時間労働、低賃金のいたちごっこを乗り越えて、「豊かな余暇」の実現に向けて進んでいこうと、社会は少しずつ変わってきている。

制度が根付くのは時間がかかるもの。まずは様子見。徐々に雰囲気が変わり、プレミアムフライデー、はたまた週休三日制度が日本に根付くのは、はたしていつごろになるのだろうか。
《編集部》

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