【山口県プレスツアー】新幹線の“おでこ”を作る?山口県にある山下工業所に行ってみた | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口県プレスツアー】新幹線の“おでこ”を作る?山口県にある山下工業所に行ってみた

ライフ 社会

【山口県プレスツアー】新幹線の“おでこ”を作る?山口県にある山下工業所に行ってみた
  • 【山口県プレスツアー】新幹線の“おでこ”を作る?山口県にある山下工業所に行ってみた
  • 【山口県プレスツアー】新幹線の“おでこ”を作る?山口県にある山下工業所に行ってみた
  • 【山口県プレスツアー】新幹線の“おでこ”を作る?山口県にある山下工業所に行ってみた
  • 【山口県プレスツアー】新幹線の“おでこ”を作る?山口県にある山下工業所に行ってみた
  • 【山口県プレスツアー】新幹線の“おでこ”を作る?山口県にある山下工業所に行ってみた
  • 【山口県プレスツアー】新幹線の“おでこ”を作る?山口県にある山下工業所に行ってみた
  • 【山口県プレスツアー】新幹線の“おでこ”を作る?山口県にある山下工業所に行ってみた
  • 【山口県プレスツアー】新幹線の“おでこ”を作る?山口県にある山下工業所に行ってみた
こんにちは。編集部のヤマモトです。

みなさんは、新幹線の顔がどこでつくられているかご存知ですか?私も知りませんでした。

まさか山口県で作られているとは…。

今回参加した山口県プレスツアーでは、下松市にある山下工業所の代表取締役・山下竜登さんにお話を伺いました。山下さんは2代目。東京、大阪や16年の海外勤務を経て、家業を継ぐために帰郷しました。



新幹線と同じ年の1964年生まれです。新幹線を作るべきして生まれてきたのですね。

■ものづくりのまち・下松市



山下さん「日立っていうと、家電を作っていて、なおかつ茨城県にあるイメージが強いと思うんですよ。でも実は、鉄道も手がけているんです。しかも、日立製作所の創業者は山口県の人なんです」

ヤマモト「全然知らなかった」

山下さん「ここ笠戸事業所は、全国の製作所の中で2番目に古い製作所で、西日本唯一の工場です。スマホやVR、車の自動運転などに使用する半導体の製造装置も山口でつくっていたりします」

ヤマモト「笠戸ドックといい、下松市ってものづくりが盛んなんだなあ」

山下さん「我々がつくっている新幹線の先頭構体の部分を“おでこ”といいます。弊社のメールアドレスの@以下もodekoになっているんですよ」

ヤマモト「本当だ!odekoって可愛い。私もodekoアドレスがいい」


早速、工業所の中に入ります。入ってすぐ目に飛び込んで来るのは、3枚の大きなポスター。


山下さん「これは日本で最初の新幹線を作ったときの写真で、0系新幹線の試作車両です。車と同じで、量産する前に試作車両をつくるんです。実は、試作車両は“系”ではなく、“形”という字を使うんですよ」

ヤマモト「新幹線って知らないことだらけですね…」

■26歳で新幹線製造を一任される

山下さん「創業は父です。中学を出て、市内の自動車修理工場で板金をやっていました。日立さんからお仕事をもらっていて、蒸気機関車の煙突部分をつくっていたりしたみたいです。その工場が廃業になってしまって、それからは日立さんに出入りするようになり、そこで新幹線の話がでてきたみたいです。その時、父は26歳でした

ヤマモト「26歳で日本の未来を担う開発を任されるなんて、私だったら2日で逃亡しそう」

打ち出し板金というのは、1mmから6mmの薄い金属板をハンマーで叩き、緩やかな曲面をつくりだす技のこと。おでこづくりを担う大事な工程です。

山下さん「この車両をつくるのに3ヶ月もかかったそうです。今だったら2週間でできるんですけどね

ヤマモト「むしろ今が早すぎませんか?」

■昔と今の新幹線の違い

ヤマモト「ところで、昔と今の新幹線って作り方は変わっているんですか?」

山下さん「変わっています。昔は鳥かごのような木組みにはりつけていく形でしたが、今は部分部分をつくって後でくっつける作り方に変わりました。0系、100系は鉄ですが、それ以降はアルミになっています。東海道新幹線でいうと300系は、スピードアップを目的にアルミにシフトしました」

ヤマモト「その時はなぜスピードアップにこだわりが?」

山下さん「関西国際空港ができることで、お客さんが減ってしまうのではないかという脅威がありました。なので、どうしても東京・大阪間を2時間で走りたかった。25%の軽量化が目標だったみたいです。それだけダイエットできるかと」

ヤマモト「無理です

山下さん「それでアルミを採用したみたいです」

■手作業と機械、どっちが多い?

ヤマモト「どれくらい機械化しているのですか?」

山下さん「実は機械化できるところは機械化しています。人が手でやらなくてはいけない調整部分だけが手作業です。作業の7割方は機械です

ヤマモト「普段、手作業の映像や写真を多く見るのでてっきり手作業がメインなのかと思っていました」

山下さん「メディアだと手作業の映像ばかり流れてしまうのでそのイメージが強いのだと思います。でもそうすると、この仕事をやりたいと思っている人がビビってしまうと思うんですよね」

ヤマモト「確かに、手作業で1両あたり2週間でつくってたらビビりますね」

■打ち出し板金の弦楽器



ヤマモト「昨日、国民宿舎大城さんに行った時に、山下工業所さんが打ち出し板金で製作したチェロをヴァイオリンが置いてありました」

山下さん「職人さんの卵の方たちに興味を持ってもらうために作りました。打ち出し板金の技術を知ってもらうために、一番最適だったのが弦楽器だったんです。よく売り物だと間違われて問い合わせがありますが、本業は楽器屋ではありません」

ヤマモト「入り口の一番最初に目に入るところに飾ってあるのも、チェロと0系の写真ですよね」

山下さん「あれは、東海道新幹線開業50周年を記念して、鉄道好きのアーティストたちが演奏したCDアルバムのジャケット写真に使われています」

鉄道好きのアーティストが集まってできた珠玉のアルバム


ヤマモト「打ち出し板金楽器の四重奏で世界の車窓から…?これは聞きたい…」

山下さん「このアルバムは一時期Amazonのクラシックランキングで1位を獲得しています」

ヤマモト「クラシックで1位!それって結構すごいですよね?」

山下さん「元SKE48の鉄道好き、松井玲奈さんが歌う曲が入っているので、おそらくファンの方に買っていただけたのかと」

ヤマモト「他にも色々要因はあると思いますよ??」

■本業の合間の製作



ヤマモト「これはなんですか?」

山下さん「それはMacBook Airのケースです。生産が不振になった時に、腐っていても仕方がないとつくってみたものです」

ヤマモト「おしゃれで高級そうですね」

山下さん「これは、リオ五輪の卓球台のデザインで有名な澄川伸一さんとつくったものです」



ヤマモト「それにしても、このMacBook Airのケース売れそうですね。販売しているものなのですか?」

山下さん「いやー、売ろうと思ったんですけど、そのうちに本業の方が回復してきたので

打ち出し板金の技術が伝わればという思いだけでつくられた傑作たち


日本の誇る新幹線の“おでこ”を生み出している山下工業所。打ち出し板金でつくった弦楽器で注目を集める山下工業所。

その背景には、技を知ってもらいたい、若い職人を育てたいという山下さんの思いが込められていました。これからは、“おでこ”を拝んでから新幹線に乗車したいと思います。
《山本有莉》

編集部おすすめの記事

page top