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【THE SPIKE】“下剋上”の視点で考察するプロ野球クライマックスシリーズ

オピニオン コラム
プロ野球OBがベストプレーヤーを選ぶ「PLAYER OF THE MONTH」8月にノミネートされた菊池涼介(広島)
  • プロ野球OBがベストプレーヤーを選ぶ「PLAYER OF THE MONTH」8月にノミネートされた菊池涼介(広島)
  • 横浜DeNAベイスターズのアレックス・ラミレス監督 参考画像(2015年10月21日)
  • 横浜DeNAベイスターズの山崎康晃投手 参考画像
  • 大谷翔平 参考画像(2015年3月21日)
  • 坂本勇人 参考画像(2014年11月11日)(c)Getty Images
■優勝チームの壁は厚い

過去のCSの歴史を振り返ると、リーグ優勝を果たしたチームがCSを制して日本シリーズへ進出する確率が高く、「下剋上」と言葉にするのは簡単だが、現実は厳しい。これは両リーグを通じて言えることである。

パ・リーグでは、2004年からプレーオフ制度がセ・リーグに先駆けて導入された。これが興行的に成功を収めたこともあり、セ・リーグでも導入に対する待望論が巻き起こった。そして2007年から両リーグでCSが始まった。

下剋上が果たされた年を振り返ってみると、パ・リーグでは2004年にシーズン2位だった西武が日本シリーズへ進出。続く2005年にはシーズン2位だったロッテが同シリーズへ駒を進めた。

2010年にロッテがCS史上初めて、3位から同シリーズへの進出を決めた。これ以外の9シーズンはリーグ優勝を果たしたチームがそのままCSを勝ち抜いている。セ・リーグでも9シーズン中7シーズンはリーグ優勝したチームがCSを勝ち抜き、下剋上を果たしたのは2007年シーズン2位だった中日と、2014年シーズン2位だった阪神のみだ。

今年のセ・リーグを制した広島は、2位の巨人に17.5ゲーム差をつけ、圧倒的な強さを見せつけた。チーム得点力、本塁打、盗塁、打率といったオフェンス面および、失点、防御率といったディフェンス面を含めた全てで他チームより頭ひとつ抜けている。

シーズン終盤に疲れも影響してか、菊池涼介や新井貴浩をはじめ、主力の打撃に陰りが見えたのは気がかりだが、真っ赤に染まるだろうマツダスタジアムの大観衆をバックに息を吹き返すに違いない。

しかし、懸念点もある。広島は対巨人戦を13勝12敗と勝ち越し、対DeNA戦も13勝12敗と勝ち越しているが、数字だけをみればほぼ互角。巨人にもDeNAにも、広島に対する苦手意識はないのではないか。

一方、パ・リーグに目を向ければ、リーグ優勝した日本ハムは2位ソフトバンク戦を15勝9敗と大きく勝ち越し、直近の試合を3連勝している。また、3位ロッテ戦も15勝9敗と勝ち越し。さらに直近の試合では、引き分けを挟んで7連勝を飾っている。日本ハムには、大谷翔平という絶対的な柱がいることもアドバンテージになる。

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《浜田哲男》

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