現時点ですでに達成されている記録も含めて、5つの記録をクローズアップする。
■前人未踏の2年連続トリプルスリー…山田哲人
最も注目されている記録が、ヤクルト・山田哲人の2年連続トリプルスリーだろう。117試合を消化した時点で打率.323、本塁打33、盗塁29を記録しており、残り試合数は16。本塁打はすでに達成しており、盗塁もあとひとつ。打率は懸念点でもあるが、よほどのスランプに陥らない限りクリアできそうだ。
7月30日の巨人戦で背中に受けた死球の影響により、8月10日に出場選手登録を抹消されていたが10試合後には復帰。以降、盗塁が29となった時点で足踏みしている感は否めないが、「一番得意なのは盗塁」と公言する山田。成功率も高く、今季31回の盗塁を試みて失敗はわずか2回だけ。記録達成が期待される。
■史上初、月間6度のマルチ本塁打…筒香嘉智
昨シーズン好成績を記録し、昨秋のプレミア12では侍ジャパンの4番も務めたDeNAの若き大砲・筒香嘉智。プレミア12終了直後、ドミニカのウインターリーグに参加するなど武者修行を敢行し、今季のさらなる飛躍が期待されていたが、期待に違わぬ成績を残している。
特筆すべきは、プロ野球史上初となる月間6度のマルチ本塁打(1試合2本塁打)の達成だ。7月9日のヤクルト戦からは3試合連続でマルチ本塁打を放っており、こちらは史上初の快挙。また、現在38本塁打を放ち、2位の山田に5本差をつけて本塁打王争いのトップに立っている。もし本塁打王となれば、横浜の左打者として史上初のタイトルともなる。
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プレミア12に出場した筒香嘉智 (c) Getty Images
■セ・リーグ初、遊撃手の首位打者を狙う…坂本勇人
巨人の坂本勇人がハイアベレージを維持している。現在、打率.347。2位の広島・鈴木誠也が.336と猛追しているが、以前として安定した調子を見せている。プロ入り過去9年間で打率3割以上を打ったのが2回。最も高打率を残したのは2012年の.311であることを考えれば、飛躍的な向上といえる。
過去には、一度調子を落とすと長いスランプに陥る傾向が見られたが、それも今年はほとんど見られない。本塁打も現在20本と、2010年以来の20本に乗せた。
2リーグ制移行、パ・リーグでは1956年に豊田泰光(西鉄)、2010年には西岡剛(ロッテ)が遊撃手として首位打者を獲得しているが、セ・リーグの遊撃手がこれまでに首位打者を獲得したことはない。今季はセ・リーグ初となる遊撃手の首位打者が誕生するかもしれない。
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