パプア・ニューギニアの海にとりつかれ…秘境の地で15年間暮らす日本人ダイバー | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

パプア・ニューギニアの海にとりつかれ…秘境の地で15年間暮らす日本人ダイバー

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パプア・ニューギニアで暮らす屋本恵子さん
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パプア・ニューギニアの首都、ポートモレスビーから国内線で1時間ほどのホスキンス空港。パームヤシが生い茂るキンベの地をさらに1時間ほど車で行くと、「ワリンディプランテーションリゾート」に到着する。

ダイビング・リゾートとして世界中のダイバーが集まるニューブリテン島。透明度も非常に高く、潮の流れも強くない。ビギナーからベテランまで大満足間違いなしのスポットだ。



ワリンディプランテーションリゾート


僕もシュノーケリングは2回目というビギナーだが、手つかずのサンゴ礁、多種類、無数の魚に涙腺が緩んでしまった。

ここには日本人ダイビングインストラクターの屋本恵子さんが駐在している。地元の人にも「ケイコ」と親しまれ、女性ならではの細やかな気配りで日本人観光客のハートをしっかりとつかんでいる。

半年に1回ほどは日本に帰るというが、この地に2001年から住んでいる恵子さん。ダイビングが好きで、ダイビングインストラクターの仕事を探していた。その時に知人から紹介されたのが、ここの仕事だった。

当初は短期間滞在の予定だったが、美しいパプアの海にとりつかれ、15年もの間、この地で暮している。



パプア・ニューギニア「キンベ」の海






この秘境の地に留まり続ける理由はどこにあったのだろう?

「自然が手付かずなところ。むしろ、自然以外に見るものはないんじゃないかな」

そう微笑む恵子さん。日本の海とパプア・ニューギニアの海は、「共通するところがないくらい」だという。

「パプアの海はどこを見てもサンゴばかりだし、誰が見ても『手付かず』という印象を受けると思います」



海で楽しむ編集部のオビナタ






だが、文明に慣れた人類は、「手付かず」の自然を無邪気に愛するだけではいられない。

恵子さんも、「不便なことばかりですよ」と飄々と話す。

「ものはないし、考え方は違う。病院もいい加減です。いつもは1錠と言われていた薬だったのが、急に翌日からは2錠になったり。これは私の話ではありませんが、麻酔が足りなくて手術中に目覚めそうになったという話も聞いたことがあります」

ダイビングの休憩時間も、日本人ツアー客に黒アメを勧められたが、断った。

「私、虫歯なんで甘いものだめなんです。治療もなかなかできませんし」

隣で聞いていた観光客が、「何かを楽しむためには、何かを切り捨てなければいけない。それが人生なのかもしれないね」と恵子さんに話しかけた。

「そうかもしれない。『何でそこまで不便な環境なのにここにずっといるのか』って聞かれたら、『不便だけれど、それでもダイビングが面白いから』って答えます」

手付かずの海には、なにものにも代え難い美しさがある。恵子さんはそう微笑んだ。



屋本恵子さん


「そうそう、ここに来てからふたつの言葉をすごく耳にするようになったんです。『Wait and See(まず様子を見よう)』と『Better than Nothing(ないよりはマシじゃん)』という言葉です」

この価値観がパプア・ニューギニア、キンベの雰囲気を反映している。
《大日方航》
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