被災地の子ども、約4.5人に1人が「太ってきている」と実感…すこやカラダ大作戦 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

被災地の子ども、約4.5人に1人が「太ってきている」と実感…すこやカラダ大作戦

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「震災が子どもの健康・成長へ与えた影響」に関する意識調査
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小野薬品工業とスポーツ・コミュニティ・アンド・インテリジェンス機構は、「震災が子どもの健康・成長へ与えた影響」に関する意識調査を実施した。調査対象は、岩手・宮城・福島県に在住し、震災の被害を受けた9歳~14歳の子どもを持つ親467人。

意識調査は、東日本大震災で被害を受けた東北3県の子どもたちの身体づくりを応援する3年プロジェクト「すこやカラダ大作戦」の2年目の活動に先立って実施された。

東北3県の肥満傾向児の比率は、震災以前から他県に比べて高く、特に宮城県では小児の体力や運動能力低下している。こうした背景の中での調査の結果、復興が進みつつある一方、震災が子どもの運動習慣へ影響をおよぼし、被災地域での子どもの肥満傾向増加や運動能力低下に影響を与えていることが示唆された。

東日本大震災後の子どもの体型変化を調べたところ、「太ってきている」(5.8%)、「やや太ってきている」(16.5%)と回答した親が22.3%いた。「痩せてきている」(0.6%)、「やや痩せてきている」(7.9%)と感じている親は8.5%。自分の子どもの肥満化傾向を、被災地の親の約4.5人に1人が実感している。

次に、東日本大震災による子どもの生活や成長への影響を調査した。その結果、震災が子どもの生活や成長に悪影響があったと考える親が多く、特に親の3人に1人が「運動や身体を動かすこと」「"こころ"の成長」に悪影響を与えたと認識している。

続いて、東日本大震災が子どもの運動や遊びへ与えた。「ゲーム」(38.1%)のように「身体を動かさない活動」(48.0%)が増加したと回答。「屋外でのスポーツ」(24.0%)や「その他身体を動かす遊び」(23.6%)などの「運動や身体を動かす遊び」(33.4%)や、その意欲(19.3%)は減少している。

東日本大震が運動や身体を動かす環境へ与えた影響では、「運動・身体を動かす外部環境の悪化」を実感している親が約2人に1人となる49.9%いることがわかった。

次に、自宅周辺での子どもの運動や身体を動かす環境の復興について調べた。その結果、震災前と比較して「公園などの設備」(27.0%)、「運動などをサポートする機会」(17.1%)が5年が経った今でも減少していると回答。現在の子ども達の状況では、「室内で遊ぶことが多い」(28.3%)と考える親は、「屋外で遊ぶことが多い」と考える親の1.8倍となった。

東日本大震災が与えた子どもの性格形成への影響では、粘り強さの減少や社交性の低下などの悪影響を実感している親が多かった。「粘り強さ」が「減った」と感じる親(12.8%)は、増えたと答えた親(5.4%)の約2.4倍。

子どもがストレスを感じているかどうかについての意識について調べたところ、時間が経つにつれて子どもがストレスを感じていると考える親の数が減ってはいるが、親の4人に1人が子どもがストレスを感じていると回答している。

日本成長学会理事長の田中敏章医師と同副理事長の佐藤亨至歯科医師は今回の調査結果から、運動との距離が生まれているのではないかと考えられるとコメント。運動は継続性が重要であり、適度な運動を心掛ける習慣づくりが大切だと話している。

「すこやカラダ大作戦」では3月5日~5月までの3カ月間、宮城県石巻市で「すこやカラダ大作戦 in みやぎ」を開催。アスリートや生活習慣病の専門医と地域機関が協力し、スポーツや運動する楽しさを伝えながら子どもたちの生活習慣の改善を目指す。

キックオフイベントは3月5日に開催。参加ゲストは、バドミントン元オリンピック日本代表の潮田玲子さん、トランポリン元オリンピック日本代表の外村哲也さん、元サッカー日本代表の福田正博さん。
《美坂柚木》

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