■負けて課題を見出だす
今年初の対外試合となった東京ダイヤモンドボーイズとの試合は、結果的には3敗。特に、エースの佐藤舞香さんが投げた試合は、立ち上がりに内野の失策が相次いで序盤に失点したのが効いた。
「ミスの連鎖で負けてしまうというのは、やはり気持ちが弱いからだと思います。どんな状況でもしっかりとしたプレーができるように、自分たちの守備力をきちっと上げていかないといけません」と、課題を見出していた。
それでも、左腕の佐藤さんは大きなカーブで、振り切っていこうとする東京ダイヤモンドボーイズの中軸打者を巧みにかわしていた。俊足巧打を誇る工藤ナイジェル君も泳がされて三振を喫するというシーンもあった。
また、先発の坂部君には4回までは3人ずつで抑えられていたものの、5回に失策で走者を出すと、6番の寺島百香さんが右前へタイムリー打を放って得点を奪った。7回にも失策に乗じて下位打線の連打で得点する食い下がりを示した。
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村田女子高野球部vs東京ダイヤモンドボーイズ
東京ダイヤモンドボーイズは一番捕手の植村君や工藤ナイジェル君、日野君、坂部君のクリーンアップなどはセンスの良さや力強さが感じられた。日野君はマウンドにも登ったが、今すぐにでも高校野球の強豪校でも見劣りしないような体格である。工藤君は、弟のジョエル君もチームにおり、常にベンチからも指示の声を出すなど、野球の好きさは全身から溢れ出ていた。
チームを指導する東洋大出身の樽見憲明監督は、ユニホームの胸文字にも、母校東洋大の書体を用いている。「部活動ではなく、ウチのようなクラブチームに所属している子は、学校内でも先生たちに応援してもらえるように、きちんと学校生活や勉強をやっていくようにとも指導しています。成績だけではなく、学校行事にも積極的に参加していくようにしなさいということも指導のひとつです」と、部活動ではないクラブチームという中で、やがては選手たちの将来の進路にもかかわる部分も担っているだけに、野球を教えることとともに、大人として社会での生き方も伝えている。
そんな東京ダイヤモンドボーイズの出身者たちは城東、江戸川、紅葉川や二松学舎の関東一など東京都東部の強豪校だけではなく、日本文理や成田、上田西、千葉経済大附など甲子園に出場して実績のある学校にも多く進んでいる。
「できれば、同じ出身クラブの者同士でポジション争いはしてほしくない気持ちもありますから、進路に関しては気を使います」と樽見監督の優しさも窺われる。
試合結果
第一試合:東京ダイヤモンドボーイズ 7-4 村田女子高
第二試合:東京ダイヤモンドボーイズ 4-2 村田女子高
第三試合:東京ダイヤモンドボーイズ 17-2 村田女子高