インタビューその1:自己新連発の秘訣は「長期プランニング」
インタビューその2:マルチスプリンターと呼ばれるが「速い選手は何でも速い」
---:短距離の魅力は何ですか?
藤光謙司選手(以下、敬称略):ほんの0.0コンマ、0.01だったら1cmぐらいとか、そのタイムを縮めようと思ってもなかなか縮められない。短距離走だけじゃないですけど、シンプルな動きは極めるのが難しいと思うんですよ。
単純にそこが面白いというか、それが顕著にわかりやすいのが短距離。他の競技もそうですけどタイムで管理されている種目は嘘がつけない。
絶対的な記録がわかってしまうので、それが目に見えて、わかって記録を縮めていけるじゃないですか。なので、そういう楽しさがあると思いますし、やっぱりスポーツの原点。走るという動きを極めていくのは単純に難しいし、楽しいという感覚があります。
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藤光謙司選手
---:2016年の目標を教えてください。
藤光:2015年は世界選手権のファイナルを目標にしていた。そこを達成できなかった分を2016年のリオ(五輪)でという気持ちが大きいので、リオで個人でファイナル。そこでしっかり勝負する。
ファイナルに残るだけじゃなく、その中でもしっかり表彰台を争うところで勝負。そのレベルで戦うためには絶対記録が必要になってくるので、19秒台が目安の記録になってくると思う。それを出した状態でリオに向かえる状態にしておきたいとは思っています。
---:30歳の節目も近づいていますね。
2016年は僕も30歳。オリンピックの年で、日本選手権は第100回なんですよ。節目の、区切りのいい年になるので、集大成になるような年にしたい。今までやってきた完成形をそこでできれば。記録でいえば19秒台。目標でいえば個人のファイナルで戦うことかな。
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セイコーゴールデングランプリ陸上
---:2020年東京オリンピックはどう考えていますか?
藤光:34歳ですね。発表された時は、正直想像できなくて。はっきりしたビジョンは見えてないですけど、ここ最近になってきてパフォーマンスの安定だとか、自分の体のことがわかってきた。
そういうのがあって「目指せなくはないのかな」という感覚がここ最近でてきた。2016年が区切りの年にはなりますが、終わり方次第では次の東京も目指したい。まだまだ伸びしろがあるとは自分では思っています。
地元でオリンピックなんてそうそう巡ってくるチャンスではないので、何かしらの形で関わりたいと(決定した)当時は思っていましたが、ここまで来ると自分が選手として出る側で関わることができたら、という気持ちがやはり強くなっている。できればやりたいという気持ちが強いですね。