藤光:シーズンを通して安定したパフォーマンスを出せたことは、ものすごく良かったと思っています。普段なら今年のアベレージがシーズンベストみたいな年もある。それがずっとシーズン中だせたのは、自分にとって自信となった年になりました。
リオ(五輪)に向けていいステップになるようにしたいと思っていて、ある程度戦えるような記録を出していきたかった。そういう意味では最低限の結果と内容がついてきたんじゃないかと思います。
---:年齢を重ねても自己記録を次々と更新されています。どのような練習計画なのでしょうか?
藤光:長期でトレーニング計画を立てています。やっぱりその場、その年のシーズンって大事で、その時に結果を追い求めたい選手も多いと思います。高校生、大学生がそうだと思いますが、その年に記録や成績を残したいじゃないですか。それで(体を)酷使して練習を頑張ってしまうと、どんどん競技生命を縮めてしまうことになると思います。
ある程度、一時期頑張って酷使したら記録も伸びるかもしれないけど、競技生活や人生を長く見たら、体も消耗品だと思う。それを早く消耗させているだけと思うところがあって、僕は長く競技できるように、できるだけそういう(体の)使い方をしないプランニングを学生時代からしてきています。
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セイコーゴールデングランプリ陸上
引退するまで右肩上がりで記録が伸びていくように、長期的に、継続的にトレーニングをプランニングするやり方をしてきた。今となって記録が伸びてきているのはプラン通りなので、特に今となって何かをやっているから、とかではないです。
昔からそういう計画で来ている。僕としては当たり前じゃないけど、そういう結果が見えてやっていた。結果的に(成績が)出ているので、やってきたことは間違っていなかったなと確認にもなりました。
---:長期の計画とは10代の頃からですか?
藤光:高校生くらいだったらそこまで考える能力もなかった。大学に入って、今もお世話になっているコーチのもとで指導を受けるようになってからです。そのコーチがプランニングを当時してくれたんですよね。
自分でも途中で、体の特徴だったり、自分のことがわかりはじめて、プランに乗っていった。自分の考えが追いついてきたのが大学の途中、ハタチ過ぎくらいからですかね。意識してトレーニングするようになったかなと思います。
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---:トレーニングウエアにナイキの「パワー スピード タイツ」を使っています。アスリート同様に年々進化するウエアですが、使用感はいかがですか?
藤光:動きやすさが僕らは重要。ウエアが動きを制限するようなことがあってはいけない。そういう意味でこのタイツは自分たちが求めている走りと一緒で、固めないといけないところはしっかり固めておいて、リラックスさせられるところはリラックスさせてくれる。
しっかりサポートして、締め付けて固めてほしいところはポイントでサポートしながら、遊びや余裕ももたせてくれる。そういうところが従来のものにはなかった部分、ウエアの進化を感じますね。
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●陸上・藤光謙司選手に聞く
その1 自己新連発の秘訣は「長期プランニング」
その2 マルチスプリンターと呼ばれるが「速い選手は何でも速い」
その3 34歳で迎える東京オリンピックは「目指せなくはない」