遠回りしてでも「プロになる」…サムライフットボーラーの挑戦 2ページ目 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

遠回りしてでも「プロになる」…サムライフットボーラーの挑戦

オピニオン ボイス
菊池康平(きくちこうへい)さん
  • 菊池康平(きくちこうへい)さん
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■本気でチャレンジする

---:これまでの人生、意思を強く持ち、自分でキャリア選択をされてきたように思えました。キャリアを構築する方法は?

菊池:やはり「まずは行ってみる」とか「悩むようであれば聞いてみる」など、行動することが大事。そこを一歩踏み出せない人は、失敗を受け入れたくないんじゃないかと。

失うものはないと思うんです。自分で決めた選択だったら後悔はなくなるので。嫌だったら辞めればいいんです。



---:パソナを退職しようと思ったのはなぜですか?

菊池:パソナで働くのも本当に面白かったのですが、「本気でチャレンジするなら辞めないとダメだ」と感じたからです。年齢的にもギリギリでした。踏ん切りがついたのは、1年間の休職期間中に前向きに取り組んでいたことがいい結果につながったからです。

一見無謀に見えても、「本気でチャレンジしていれば必ずいいことがある」と身をもって感じた。前向きに進んでいればなにかしら残るのです。

だからこそ今僕はパソナを辞めたあとでもパソナに仕事をもらっていますし、前向きに発信していたからこそメディアの方々にも取り上げてもらっているのだと思います。

※ ※ ※

■編集後記
「プロになる」という夢を持ち続け、長年の夢を叶えた菊池さん。しかし、「諦めないで挑戦し続ければ夢は叶う」と公式化してしまうのも違和感を覚える。

その違和感の正体は菊池さんの「戦略性」にある。自ら新しい環境に飛び込んでいく積極性をはじめ、「高校卒業時のレベルではプロ入りは無理と感じ、一旦クラブチームを辞め、部活から大学を目指そうとした」「日本の大学サッカーのレベルでは現実的に厳しそうに思えたから、大学サッカーよりもレベルの低いアジアのプロリーグに挑戦しようとした」といった積極的かつ戦略的な方向転換が菊池さんの人生設計にはしばし顔をのぞかせる。

がむしゃらに、やみくもに夢を追い求めたわけではない。そういった面もあったかもしれないが、菊池さんにとって重要なのは「プロになる」というゴールに最短距離で向かうことではなく、遠回りしてでも確実にたどり着くことだった。

ゴールまでの最短距離にはライバルたちとの激しい競争がつきまとう。確かにどの道を選択しても全力を出し切ることは不可欠だろうが、王道ルートを避け、あえて別ルートを歩むことで自分なりの道筋を見つけた。

一度就職を選び、その中で成果をあげたからこそ休職も認められ、退職後の仕事につながった。休職期間中に書いたブログも、メディアの目を引くためのアイテムに成長した。

意図的ではなかったかもしれないが「次につながる種」を蒔く行動も、夢を全力で追い求める行動のひとつなのかもしれない。菊池さんの挑戦は、これからも続く。
《大日方航》

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