新しいスポーツの作り方、楽しみ方を模索する合宿形式のワークショップ「スポーツ・ハッカソン」(12月11~13日)が山口市の山口情報芸術センターで行われ、参加者たちは、iPhoneやiBeacon、VR技術などを組み入れた競技に挑み"未来の運動会"を体感した。
このスポーツ・ハッカソン(hackathon、ハック+マラソン)では、開発・改変(デベロップ)と実践(プレイ)を担うデベロップレイヤーを全国から募集。大学研究生、芸能関係、CGデザイナー、ゲームデザイナー、プログラマー、栄養士といったさまざまな肩書きの人たち18人が県内外から集まった。
彼らは初日と2日目にアイデアを出し合い、ブレストやプレゼン、トライアンドエラーを繰り返しながら「未来の競技」を創造。3日目に実施される「未来の山口の運動会」(7歳~60代の県民85人が参加)に挑んだ。
デベロップレイヤーが作り出した、未来の競技は、iPhoneのシェイク機能などを用いた「揺らして送れ!なかまんボール」や「揺らさず飛べ!ボール渡し大縄跳び」、レーザープロジェクターを使った「レーザー・わくとり・サバイバル」、VR(Virtual Reality、仮想現実)技術のひとつであるパラレルアイズを活用した「パラレル・アイズ・ソリッド」「パラレル・アイズ・リレー」など。3日目の運動会ではデジタルツールと既存の競技が融合した"新種目"が繰り広げられた。
同イベントでは、eスポーツプロデューサーでゲーム監督の犬飼博士氏や、「運動会屋」の米司隆明氏らが進行役を務め、VR技術などを提供する側としてソニーコンピュータサイエンス研究所の笠原俊一研究員らの姿も見られた。
「犬飼さんのイベントにはよく参加する」というデベロップレイヤーの高尾恭平さんは、この"未来の運動会"の終了後、「パラレルアイズは、人の力を超える能力が身につくと感じた。不思議で、未体験のものだった。ゲーム感があり、バーチャルとフィジカルの融合を感じ、使っているうちにどんどん慣れていった。今後、ゲーム的な考え方とスポーツの融合が広がっていく可能性がある」と期待をこめた。
《大野雅人》
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