次の登壇者は、山口情報芸術センターの研究開発チームYCAM InterLabに所属する、映像エンジニア/アーティストの大脇理智氏。奇抜なヘアスタイルと衣装で現れると、現在手がけているという、ダンスとテクノロジー、アートとミックスしたプロジェクト「Reactor for Awareness in Motion(RAM)」を披露しました。これは、ダンサーの動きをモーションキャプチャでリアルタイムに分析し、流動的・幾何学的に振り付けのルールを生成していくというもの。
最後に紹介された登壇者Team Twinkrunは、iOS用のスポーツゲームアプリ『Twinkrun』をデザインした、4名からなる明治大学FMSの学生グループ。『Twinkrun』は、複数のプレイヤーがスマートフォンを頭に取り付け、数秒おきに変化する画面の色によって追うものと追われるものが入れ替わる、鬼ごっこ的な遊びを提供するアプリ。海外インディー作品『Johann Sebastian Joust』とも似た、いわばフィジカルなスポーツゲームです。
Team Twinkrunによるゲーム説明 為末氏は『Twinkrun』について、コンピューティングを用いた初のスポーツがそろそろオリンピックに組み込まれていくべきで、じつに柔道以来の日本発祥の競技が出てきても良い、などと評価。一方で、正式な競技になるためには、試合時間やプレイ環境などのルールを明確にして競技性、公平性を保つ必要があるとも指摘しました。これに対してTeam Twinkrunのメンバーは、何を持ってしてスポーツになるのか、どこが遊びとの境界線なのかと疑問を投げかけ、コミュニティの規模、審判の有無、あるいは身体性が影響するかなど、様々な意見が飛び交いました。