【THE INSIDE】プロ野球ドラフト会議総括… 順当な指名、地方リーグの投手が好評価 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE INSIDE】プロ野球ドラフト会議総括… 順当な指名、地方リーグの投手が好評価

オピニオン コラム
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  • 2015年プロ野球のドラフト会議は10月22日に開催
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10月のこの時期に恒例となっているプロ野球選手新人選択会議(通称ドラフト会議)が22日に開催された。今年のアマチュア野球の有望選手のプロ野球への進路の方向性が決まった。

51年目を迎えたドラフト会議。過去さまざまなドラマやトラブルもあったが、今年はほぼスムーズな形で進行していった。そんな2015年のドラフトをおさらいしてみた。

■唯一のハプニング、勘違いガッツポーズ

大きな波乱もなく、比較的スムーズに流れていった今年のドラフトで唯一のハプニングは、ヤクルト・真中満監督の"勘違いガッツポーズ"かもしれない。明治大で六大学通算安打記録を131本に更新した高山俊選手の指名で、ヤクルトと阪神が重複。抽選を引いた真中監督がすぐにガッツポーズを見せ、それを見た阪神・金本監督がはずれと思いガックリした。

ところがその5分後、阪神が当たりクジだったと確認された。これは用紙に押されていたNPB(日本野球機構)のマークを真中監督が当たりと勘違いしたということだった。

とはいえ、大きなトラブルにはならず、訂正声明の発表で終わった。当事者の高山も「何が起こるかわからないドラフトですから…」と、モニターを通じて2度の指名あいさつにも冷静だった。



■高橋純平、平沢大河が人気

1位指名の重複は高山の他、1回目入札では県岐阜商の高橋純平投手に3球団、仙台育英の平沢大河選手に2球団で、合計3人だった。さらに、外れ1位の再入札で夏の甲子園優勝左腕の東海大相模・小笠原慎之介投手に2球団が重複して抽選となった。

抽選の結果、高橋はソフトバンクに、平沢はロッテに、小笠原は中日に、それぞれ決まった。12球団OKの意思表示をしていた高橋はすんなりと決まった感じだった。

平沢は楽天が単独指名を目指して、星野仙一副会長が「背番号は3を用意している」と事前公表までしていたが、ロッテの伊東勤監督も「日本のプロ野球を背負って立てる選手として育てたい」と敢然と指名。その結果、ロッテが交渉権を得た。基本的にはプロ入り志望の平沢だけに、一瞬思惑とは違ったという気がしたかもしれないが、すんなりと決まるであろう。

平沢を外した楽天は切り替えて、甲子園では俊足巧打好守で光った関東一のオコエ瑠偉選手を指名した。高校生の野手にこだわった指名で、若い選手を育てていきたいという楽天の思惑、さらには星野副会長の考えもあってのことだろう。オコエは「プロとして人間性も磨いていきたい」と、技術だけではなく精神面での向上も豊富として語っていた。

高橋を外した中日と日本ハムも、高校生投手にこだわった。それではとばかり、左の小笠原指名が重複したが、中日が石井昭男スカウトの後輩の交渉権を獲得した。



小笠原とともに東海大相模のもうひとりの柱として活躍した吉田凌投手はオリックスが5位で指名。オリックスは6位でも平沢と甲子園を沸かせた仙台育英のエース佐藤世那を指名している。下位指名にはなったが、大きく化ける可能性がありそうなふたりだ。なお、オリックスの1位指名は東都2部ながら大学日本代表の4番も任された青山学院大の吉田正尚選手だった。

高山を外したヤクルトは大学生投手に切り替え、即戦力としての評価は高い東洋大の原樹理投手を指名した。

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《手束仁》

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