【小さな山旅】不苦労の山…鷲子山(2) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【小さな山旅】不苦労の山…鷲子山(2)

オピニオン コラム
本宮神社にある日本一の大フクロウ像。7メートルの高さにある。
  • 本宮神社にある日本一の大フクロウ像。7メートルの高さにある。
  • フクロウのポスト。悩み事などを書いてこのポストに入れると…鬼太郎は来ないらしい。
  • 本宮神社にずらりと並ぶ、木彫りのフクロウ。
  • 福運びフクロウ。
  • 水かけフクロウ。
  • 見ざる、聞かざる、言わざるフクロウ?
  • 稲荷神社には…さすがに狐。
  • この看板を見つけるのに一苦労。こことは別に地形図上の三角点を示す場所があるらしい。
茨城県常陸大宮市と栃木県那須郡那珂川町の境(県境)にある鷲子山。その頂上付近にある鷲子山上神社は、県境にある神社として有名だが、フクロウの山としても有名である。

●魔女とフクロウ
フクロウといえば、魔法使いのお供のイメージが強い。昔描かれた魔女の絵には、フクロウが一緒に描かれていることが多く、有名な『ハリー・ポッター』シリーズには、ヘドウィグという白いフクロウが登場している。『もやしもん』で知られる漫画家・石川雅之氏が描いた魔女漫画『純潔のマリア』でも、主人公・マリアの使いとしてフクロウが登場した。

他にも、夜行性で音もなく空を飛び、獲物を捕獲することから「森の忍者」の異名も持つ。フクロウはその愛くるしい形態とは裏腹に、ダークなイメージがつきまとっている。

●鷲子山上神社とフクロウ
一方で、神様の使いとして崇められてもいる。鷲子山の御祭神は「アメノヒワシノミコト」という鳥の神様。その使いのフクロウが、この神社のシンボルになっている。

そのためフクロウ神社との異名を持つ鷲子山上神社では、フクロウが大活躍している。フクロウは「不苦労」や「福来郎」などのように、吉祥な当て字があてられることがあり、縁起の良い鳥でもある。

本宮神社にある日本一の大フクロウ像、金運不苦労御柱、不苦労のポスト、不苦労の鐘、不苦労の石段に水かけフクロウ、さらにはお守りにも、といった具合に、いたる所にフクロウの姿が見受けられた。

●不苦労の山?
それだけフクロウ(不苦労)がいる山だから、登るのにも苦労はいらない…と思いきや、山頂を探すのに苦労した。

不苦労の石段を登った先が一番標高が高いかと思い、付近を探すも山頂を示すものは見当たらない。社務所の人に尋ねると、本宮神社(フクロウ像があるところ)の裏に山頂を示す看板があると言う。言われた通り、神社裏のヤブの中に入り、踏み跡をたどって歩いていると、ようやく「鷲子山」の看板を見つけた。

安堵の思いで帰宅した後、ネットで調べていてわかったのだが、この看板のある場所とは別に、地形図上の山頂を示す三角点があるらしい。

そうとは知らずに意気揚々と引き上げてしまった。何とも悔やまれる結果である。こんな時に、ヘドウィグのような利口なフクロウがいれば、そちらの三角点へも案内してくれたかもしれない。

この後悔を機に、フクロウをペットとして飼おうかと思った。フクロウは飼育が難しい動物らしいが、ナウシカのような動物を手懐ける特殊能力があれば、どうにかなろう。では、そのような特殊能力はどこで身に付くのか? 

そんなことを考える暇があれば、読図(地図読み)の勉強でもするべきだろう。現実に戻った筆者は、動物園の求人情報が表示されたブラウザを閉じ、読図の本を買いに本屋へ向かうのであった。
《久米成佳》

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