【高校野球】興南・城間がサヨナラ安打…ひと振りに賭けた青春 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【高校野球】興南・城間がサヨナラ安打…ひと振りに賭けた青春

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甲子園球場
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第97回全国高校野球選手権大会6日目、第3試合は興南(沖縄)が石見智翠館(島根)に6-5でサヨナラ勝ちした。

中盤まで常に興南がリードする展開で試合は進んだ。"琉球トルネード"島袋洋奨投手を擁し、沖縄に悲願の選手権初優勝と春夏連覇をもたらした2010年以来、甲子園から遠ざかっていた興南にとっては待ちに待った瞬間が迫る。

だがドラマは終盤に待っているのが甲子園。興南の左腕エース比屋根雅也は八回、2アウトまで順調に抑えたが3人目の田中将貴に死球を与えてしまう。ここから崩れ始めると石見智翠館の攻撃は止まらなかった。連打と四死球で4点を返した。

一転して4-5とリードを奪われた興南は九回裏、ヒットで出たランナーを二塁に送り、石川涼が同点の適時打。ここで我喜屋優監督は代打の城間楽人を打席に送る。

中学時代はJOCジュニアオリンピックでジャベリックスロー(やり投げ)日本一に輝いたこともある城間。高校入学後も投手として注目されたが、肩を壊してからはひと振りに賭ける「代打屋」に活路を見出してきた。しかし沖縄大会では出番がなく、一時はメンバー落ちも覚悟したという。

元投手として、リードを守れなかった比屋根が苦しんでいるのは、痛いほど分かった。打って助けてやりたい。そう思って入った打席で、城間は今夏初のヒットをレフト前に放つ。打球が高く跳ねる間に、二塁ランナーの石川が三塁を回って頭からホームに滑り込む。3年間の集大成を見せる値千金の一打だった。

劇的な勝利に高校野球ファンは、「サヨナラの瞬間、主審と同時にセーフの動きしてた」「興南の逆転で泣いた」「代打サヨナラ安打!観てて面白かった」「3回戦進出おめでとう。そして石見智翠館高校、お疲れさま。よく頑張った」「八回裏のチャンスを石見智翠館のファインプレーで阻まれてただけに、まさかサヨナラまで持ってくとは」など大満足の様子だった。

代打でサヨナラ安打を放った城間は「人生で初めて。本当に嬉しい」と喜んだ。
《岩藤健》

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