まずはユナイテッド栄光の背番号7を背負ったメンフィス。ディフェンスを背負いながらパスを受けるシーンが多かったですが、やはり彼が輝くのは前を向いたときでしょう。
プレシーズンからルーニーとのコンビでトップ下起用が基本となっていますが、サイドを突破するメンフィスのプレイを見てみたくないと言えば嘘になります。これから背番号に見合った積極的なプレイが見られることを期待したいです。
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メンフィス・デパイ(左)とウェイン・ルーニー
次にモルガン・シュナイデルランは持ち味の堅守を見せて、チームに貢献。中盤の相方が誰であっても、うまくやっていけそうな予感がしました。その次はマッテオ・ダルミアン。よい守備と的確な攻撃参加で、攻守両面で高いパフォーマンスを見せました。2番手とも言われていましたが、よい意味でファン・ハールの頭を悩ませそうな出来でした。
スタメンとしては最後になるロメロ。好セーブや適切な飛び出しはよかったですが、ファン・ハールの目指すサッカーの中で足もとの拙さが気になります。緊張もあったでしょうが、キーパーからのつなぎのパスミスはすなわち大きなピンチを意味します。観客席にダビド・デ・ヘアやビクトル・バルデスを置きながら、8月中は彼がゴールを守る可能性が高いですが、不安は拭いきれません。
そして、60分から拍手喝采の中、トラッフォードデビューを飾ったバスティアン・シュヴァインシュタイガー。まだ万全には程遠いですし、身体も重そうではありますが、キャリックとともに中盤からのビルドアップに期待したいです。
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バスティアン・シュヴァインシュタイガー
一方、新戦力によってベンチスタートとなった昨季のスタメンたちも、終盤に投入されました。アンデル・エレーラやアントニオ・バレンシアらとともによい競争を演じてほしいとの、ファン・ハールの意思のようにも思えました。
翻ってスパーズの注目は何と言っても、昨季大活躍を見せたケインです。トラッフォードでの開幕戦でも積極的にシュートを狙い、そのポテンシャルの高さは誰もが知るところです。今季も納得の活躍を見せることができれば、彼の実力は本物だと確信できるでしょう。
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ハリー・ケイン
ホームでの開幕戦、新戦力をサポーターの前でお目見えさせることのできたユナイテッドは、スパーズを相手に勝ち切りました。序盤に失点しなかった幸運もあり、追加点を取れないながらも何とかしのぎ切った危うさもありましたが、内容はもとよりファン・ハールの誕生日を祝う勝利をあげることができました。
今季はチャンピオンズリーグの出場権をかけた試合も戦わなければならない中、ファン・ハールがどう指揮を取り、新戦力を加えた選手たちがそれにどう応えるのか。今後に注目です。