オーストラリアで学生受け入れの観点からみる、海外滞在の学び | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

オーストラリアで学生受け入れの観点からみる、海外滞在の学び

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日本からの留学生がまだまだ多いオーストラリア。留学先にオーストラリアが選ばれるのは安全面や自然が多く残されているなどの理由があげられる。

しかし言葉の習得だけを目的にこのオーストラリアに留学をすると挫折感を味わうことも少なくない。日本の夏休みのこの時期2週間弱の滞在をする学生たちをアシストをしている立場から言葉の習得などについて話を進めてみたい。

●アジア人の少ない場所で英語など母語ではない言葉を使わなければならない状況

ここ数年の傾向として南オーストラリア州も留学先として選ばれることが多い。大都会に比べるとアジア人が少ないことやエンターテイメントが少ないこと、車がないと遠方へ行かれないなど、勉強をする環境が整っていることが理由となっている。

州都アデレードでは、まだホームステイなどに慣れた家族も多いが、アデレードから離れるアウトバックでは、アジア人が極端に少なく、英語を使わなければならない状況に陥る。学校では、アジア人よりもヨーロッパ系の移民者が多くなる。

オーストラリアは、日本との時差はさほどないものの、季節はまったく逆になるために日本の夏休みを利用してこちらに短期で来る学生も多い。こちらの冬にはそういった学生のアシストの仕事が増えてくる。

●2週間では単語を少し聞けるようになるだけ

短期留学の場合、アシストする立場から言うと、(英語をかなり勉強したという一部を除いてほとんどは)2週間では英語が話せるようになるどころか、英語のスピードに耳が慣れて少しだけ知ってる単語が聞き取れるという程度である。その単語などから内容を考えるという作業となる。英語の上達を期待してホームステイには入るものの、初日から英語がまったく聞き取れないという学生がほとんどで、電子辞書を片手に必死に相手に伝えることが続く。

●言葉はコミュニケーションを取るための道具の一つ

高校生までの集団での短期留学は、家はホームステイ、日中はバディー(学校での世話人)と共に過ごすことが多い。

ホームステイ先も何度か生徒を受け入れていれば要領がつかめているが、初めてだと学生とコミュニケーションを取るのに一苦労である。アシストの仕事は、学生とホームステイまたは学校(学年が若いうちは日本の家族も含め)とのコミュニケーションを円滑に進めること。言葉はこのコミュニケーションを取るための道具の一つということを強く認識させられる。

どうしても相手に伝えなければならないという切羽詰まった状態になると人間はどうにか相手に伝えようと努力する。言葉という道具が使えなくてもほ他の使える道具を探す。短期の留学では、言葉以外の道具を探す機会になるのではないだろうか。

●カリュキュラムを終えたことで、英語への興味が湧く

2週間ほどのカリキュラムを終えた学生たちは、言葉以外の道具を探し出し、帰るころには、ホームステイやバディと涙の別れとなる。また自分が2週間過ごせたことが自信へと繋がるし、日本へ帰国した後に英語への興味へと繋がる。英語だけではなく、留学先への興味を持つ学生も多い。

●滞在期間が有意義なものに

「言葉はたいへんだけど、オーストラリアでの2週間はとてもリラックスできた」と先日、日本へ帰国した学生は最後に言い残した。これは言葉がストレスになっていたわけではないということ。学生自身が言葉には苦労しながらもオーストラリアの自然と触れ合い楽しんだ証拠であろう。

●海外の生活を自分の目で見ることで広がる世界

期間は短くても海外に滞在することで自分が今まで見てきた以上の発見がある。それは自分の価値観や常識を時に覆すものになるが、経験という自分のになものになっていく。またオーストラリアは、移民で出来上がった国のため、家族の中でもいろいろな国の背景を持つという日本とは違う家族体系があるのも滞在して気の付くことではないだろうか。

言葉は相手とのコミュニケーションをとる一つの道具でしか他ならない。また言葉の背景にある文化や国民性など知らないことが数多くある。それらと言葉は切っても切れないもの。海外に滞在することが見聞を広げ言葉の習得にもつながると言えるだろう。
《Australia photographer Asami KATO》

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