ソフトバンクワールド2015が東京都内で開催され、その基調講演に孫正義社長が登壇した。孫社長は、ソフトバンクの戦略分野として、3つ、IoT、AI、スマートロボットを掲げた。そのうちのAIに関して、孫社長の言葉を振り返る。
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ふたつめ、AI。これもみなさんかなり先だと考えているのではないでしょうか。私は20年ほど前に考えました。
コンピュータのなかに入っているトランジスタ、2進法ですね。脳細胞も2進法なのですね。
人間の脳細胞のシナプスの働きと、ワンチップのトランジスタが、クロスオーバするのはいつだろうと20年前に考えました。私は2018年に脳を超えると考えています。これが仮に5年ずれたとしても単なる誤差です。
1年半ごとに倍になるムーアの法則。人間のIQは100くらいです。200を超える人はめったにいないですね。アインシュタインや、ダ・ヴィンチなどは200ほどだと言われます。このIQが100でも200でも、誤差だと私は言いたい。人間の脳細胞の数は人間であれば皆同じ。これをベースにしています。しかし人口知能、これのIQが10000という時代は間違いなく来ます。
つまりシンギュラリティは間違いなく来るということです。人間の知能をはるかに超える人工知能に、人間の仕事は変換される。そういうものは必ず現れます。
かつては人間が運んでいた重い石。いまはこれを機械がやってくれます。産業革命です。いま人間が当たり前に行っている作業の多くは、置き換えられていく時代がきます。
悲しむ必要はありません。人間は得意とすること、楽しめることというのはたくさんありますから。テーマが変わっていきます。人間は喜んでやりたいことをもっと磨いていけば良いのです。
単純労働をAIが行うということです。
ソフトバンクは専門知識を積極的に人工知能に教え込んでいくIBMのWatsonと提携し、2015年度にリリースします。
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ソフトバンクワールド2015
孫正義社長、基調講演
その1 「胸の中に秘める新たな武器があるか」
その2 「3つの成長戦略…IoT、AI、スマートロボット」
その3 「2018年前後にシンギュラリティは訪れる」
その4 「車が走るロボットになる日」
その5 「鉄腕アトムに心をプレゼントしたい」
《土屋篤司》
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