【高校野球】青森大会、三沢商が29年ぶりの甲子園…延長でサヨナラ振り逃げ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【高校野球】青森大会、三沢商が29年ぶりの甲子園…延長でサヨナラ振り逃げ

スポーツ 短信
甲子園球場
  • 甲子園球場
全国高校野球選手権青森大会は7月22日に決勝戦が行われ、三沢商業が八戸学院光星を2-1で下し、29年ぶりの甲子園出場を決めた。青森県で公立高校が夏の選手権代表になるのは19年ぶり。

決勝は2014年春から3季連続で甲子園出場中の八戸学院光星と、ノーシードから勝ち上がってきた三沢商の対戦になった。試合は八戸学院光星が三回表、1アウト満塁から犠飛で1点を先制する。

王者に先行された三沢商だったが、粘り強い守りで追加点は与えずスコアボードに0を並べ続けた。そして八回に犠飛で1点を返し、試合を振り出しに戻す。

延長に入っても両チーム譲らず互角の試合が続いた。三沢商は野田海晴投手が丁寧にコースを突く投球で強力打線を散発の4安打に抑え、バックも好守備で盛り立てる。対する八戸学院光星の中川優投手も、足がつりながらマウンドに立ち続けた。

延長十二回裏に三沢商は2アウトながら、ランナー一塁、三塁のチャンスを作り出す。八戸学院光星バッテリーは2球で追い込むが、誘い玉を2球続けて見逃されカウント2-2。

低めに落とす変化球でバッターを空振り三振に仕留め、ピンチは脱したかに見えた。しかし、これをキャッチャーが捕逸、その間にバッターが一塁へ振り逃げ。三塁ランナーも頭からホームへ突っ込んでくる。中川も懸命にベースカバーに向かったが、タッチよりランナーの手が滑りこむほうが速かった。

誰もが予期しえなかった結末に「高校野球は時に残酷だ」「勝負とはいえ何かすごい光景だな」「こういう決まり方はつらいな。まさに天国と地獄」「明暗くっきりすぎる」「野球に人生かける思いで青森に来て最後これはつらい。甲子園では彼らが負けたこと納得できるような試合を期待する」など、ひとつのプレーで明暗分かれる高校野球の怖さを改めて見せつけられたという声が多い。

三沢商を率いるのは29年前に同校で夏の甲子園に出場した浪岡健吾監督。三沢市消防本部に勤務しながら選手を指導してきた。29年前は開会式直後に「バタバタしたまま何もできず」1回戦で滋賀の甲西に0-7で敗れた。その経験から今回は「落ち着いて、のびのびやらせたい」と語る。甲子園でも自分たちの力を発揮し勝ち進みたい。
《岩藤健》

編集部おすすめの記事

page top