■優先したのはチームの和
グリエルは昨シーズン飛行機での移動を嫌い遠征に帯同せず、ベンチ内にフルーツを持ち込み試合中に食べるなど、その奔放さも注目されていた。
それが許された一因にはスタートダッシュに失敗し、低迷していたチーム状況がある。3番に座ったグリエルは勝負強い打撃でチームを引っ張り、彼の存在で打線がつながるようになった。昨季のグリエルは欠かせない選手だった。
翻って今シーズンのDeNAはどうか。開幕まだ間もない段階で判断するのは早計だが、少なくとも2014年よりはチーム状態が良く、勝ち星が先行している。打線も活発で3番・梶谷隆幸、4番・筒香嘉智、5番・ホセ・ロペスのクリーンナップは対戦相手の脅威になっている。
もし、これ以上の我がままを許し、グリエルの言い分を丸呑みすれば、そこまでして必要かとチームの士気低下につながる恐れがある。来日しても昨年のような頼れる助っ人ではなく、トラブルメーカーで終わる可能性もあった。
好調な打線にグリエルが入ることで厚みが増す期待より、せっかくの良い雰囲気が台無しにされてしまうリスクのほうを、高田GMは高く見積もったのではないか。
【グリエルと契約解除したDeNAの決断 続く】
《岩藤健》
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