【自転車ロード】アワーレコード挑戦のデッケル、引退表明「若い選手に自分と同じミスをしてほしくない」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【自転車ロード】アワーレコード挑戦のデッケル、引退表明「若い選手に自分と同じミスをしてほしくない」

スポーツ 短信
トーマス・デッケル(2014年ガーミン・シャープ)
  • トーマス・デッケル(2014年ガーミン・シャープ)
  • トーマス・デッケル(2014年ガーミン・シャープ)
2015年2月にアワーレコードに挑戦したオランダのトーマス・デッケルが、3月20日に自らの公式サイトを通じて現役引退を表明。過去にドーピングに手を染めた自らの過ちにも、反省を表した。

現在30歳のデッケルは、若いころは地元オランダの強豪プロチームのラボバンクで活躍し、ティレーノ~アドリアティコやツール・ド・ロマンディで総合優勝を挙げた。

しかし、その後ドーピング違反で出場停止処分を受けてしまう。復帰後はガーミン・シャープなどに所属した。2014年末にガーミン・シャープとキャノンデールが合併すると選手枠から外され、2015年は所属チームがなかった。

デッケルは、2015年2月25日にメキシコでアワーレコードに挑戦し、52.211kmのヨーロッパ記録とオランダ記録を樹立。だが、オーストラリアのローハン・デニス(BMCレーシング)が持つ世界記録52.491kmには届かなった。

その後もデッケルに対する契約のオファーはなく、引退を決意。デッケルは過去の過ちを悔いつつ、自らの心境を明らかにした。

「数週間、注意深く考えた。選択肢をひとつひとつ検討した。自分の心に問いかけた。そして今、決心した。自転車競技をやめる」

「僕はサイクリストとして多くのことを経験した。勝利も敗北もあった。挫折し、再び立ち上がった。若いプロ選手のころは、あらゆる犠牲を払ってでも勝ちたかった。それが僕の長所だったが、同時に僕が陥った罠だった」

「ここ数年は自転車レースで勝つ以上に、人生にはより重要なことがあると気づくようになった。そして自分の過去をオープンにし、若い選手に自分と同じミスをしないように警告した」

「サイクリストとして最後の1時間は、メキシコでのアワーレコード挑戦だった。まだ速く走れることを証明したかったし、まだ自分が自転車選手でいたいのか知りたかった。今の答えは、僕にとってはっきりしている」

「新たなステップの準備はできている。そこに自転車はない」

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