2015年ツアー・オブ・オマーン、2月20日の第4ステージはグリーンマウンテンへの頂上ゴールとなる最難関ステージ。アメリカのティージェイ・バンガーデレン(BMCレーシング)は強力なライバルたちを次々と振り切ったが、ただひとり警戒を怠っていた選手がいた。
ラスト2kmでバンガーデレンがアタックしたとき、ついていけたのは伏兵のラファエル・バルス(ランプレ・メリダ)だけだった。バルスは残り数100mでバンガーデレンを引き離し、その手からステージ優勝を奪い取った。
バンガーデレンは途中までは勝利を確信していた。
「僕は勝利を望んでいた。1日中調子はよかった。チームは最後の上りですばらしい走りをした。僕がアタックしたとき、バルベルデ(モビスター)とマイカ(ティンコフ・サクソ)が脱落した。僕は思ったんだ。『いいぞ、順風満帆だ。彼らが僕が警戒していた2人だったんだ』とね。でも、最後は明らかにバルスの方が僕よりよかったね」
ノーマークだったバルスは強豪たちの背後で静かにレースを進めていたと、バンガーデレンは分析する。
「僕はビッグネームを排除するために何度もアタックした。彼(バルス)はダークホースだったので無賃乗車でき、僕の後輪に張り付いていたんだ。彼がアタックしたとき、僕はついていき、カウンターアタックした。さらに彼がカウンターアタックし、最後の力を少し持っていたんだ」
これでバルスは総合首位にも立ち、バンガーデレンは9秒差の2位で追いかける展開となった。しかし、バンガーデレンは逆転可能だと意気込む。
「何が起きてもおかしくない。明日も厳しいステージだし、彼がレースをコントロールできるチームを持っているかは誰にもわからない。僕たちは彼に攻撃をしかけるモチベーションがあるよ」
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