第52回ラグビー日本選手権は8日、1回戦で帝京大学とNECが対戦し、大学選手権6連覇中の帝京大学が31-25でNECを下し、2005年度の早大以来となる社会人トップリーグ撃破を成し遂げた。
前半を17-17と互角のスコアで終えた両者。後半も帝京大は積極的に自分たちから仕掛け、一時は20-17とリードを奪う。その後はNECも意地を見せシーソーゲームとなったが、後半35分に主将の流が密集地帯へ短いキックを蹴り出すと、快足を飛ばして追いついた1年生、尾崎が飛びつきトライ。28-20と大きくリードした。
NECも最後の反撃を試みるが、帝京大は強烈なタックルで相手を敵陣深いところへ押し留め、社会人顔負けのフィジカルで封じ込める。これにはNECの滝沢主将も「トップリーグと遜色ないレベル」と認めざるをえなかった。
直接身体をぶつけ合うラグビーでは、1人の絶対的なエースや戦術の力だけでは勝てない。全員のフィジカルが高いレベルで鍛えられた上で、緻密な戦略を立てて臨むことが勝利の鍵となる。
地力でトップリーグ撃破を果たした帝京大に「帝京大ラグビーの戦いは、いつも勉強させられる」「大金星と言われているが、目標を高く設定して、練習という努力を着々と積み重ねた結果だ」「なんか月一で血液検査して疲労度を考慮した練習してたらしいね。すごいわ」など、祝福と驚きの声が挙がっている。
2回戦はトップリーグ3位の東芝が相手。今回のNECは10位だったが、次は一気にトップリーグ上位との対戦になる。それでも「帝京のラグビーは今や大学ラグビーの域を大きく超えたと思う。東芝は強敵だがもう一泡吹かして貰いたいね!」とファンは期待する。
1月の練習試合では、控え中心のメンバーながらサントリーにも勝っている帝京大。もはや金星や下克上という言葉は似合わない。
《岩藤健》
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