1月2日、急激に気温が上昇しセ氏46度を記録した南オーストラリア州。高温状態が引き起こした森林火災は、消火活動などにより一週間を経過して95%終息したと発表された。
火災が発生したのは、首都アデレードから約40kmほど離れたマウント・ロフティー連峰。今までにも森林火災は夏場におこっていたが、これほどまでに都市部に近く広範囲な災害は少なくともこの10年来で、まれに見るもの。
その後も気温がさほど下がらなかったために風にあおられて火災は瞬く間に広まった。晴天でも火災現場の上空は真っ白な雲を見たかと思うと、時折炎と煙でピンクやグレーに染まった。
火災が広範囲にわたっているところでは、気温が下がらないため1週間たつ今でもまだ炎は衰えを見せていないようだ。
今回の災害では、12,000ヘクタールが燃え、38軒の家と家屋以外の建物130軒近くが全焼。自然動物の他にも多くの家畜が被害にあったとみられている。この火災による重軽傷者は、消防隊を含め130人強。
火災が収まった一部の場所で通行止めの道は少しずつ復旧はしているものの、住民に限り通行可という場所も多い。
すでに鎮火した現場では、燃えた臭いと地面の熱さ、ところどころで、これからまた燃えるのではないかと思わせるような煙も見えた。また危険地区の付近には多くの消防車やパトカー、家には危険を知らせる赤いテープが張られており、緊迫した様子が続いている。
現在は他州からの応援も含め400名近くの消防隊が消火活動に当たり、政府は95%は終息したと発表。しかし一部山間部地域では消火活動が困難な場所もあるために、エアークラフトによる空中からの消火剤の空中散布を継続している。
この災害では、多くの動物たちも被害にあい、コアラが消防隊員から水をもらう姿や、住民がカンガルーと抱き合っている姿などが写真で公開されている。
今後の天気予報が雷雨となっていることから、落雷での再びの火災やまた折れた木などが川へ流れていくなど今後の警戒をさらに強めている。
あと10日で開催される自転車のプロレース・ツァーダウンアンダーは、予定通りの開催。週末から翌週にかけ選手たちが渡豪、トレーニングを開始する予定となっている。
《Photographer Asami SAKURA》
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