前回の対戦ではシーホークスに19対3と敗れているカーディナルス。勝って地区優勝を決めるとともに、プレイオフ第1シードを大きく手繰り寄せたい試合だった。だが現在4連勝、4試合中3試合で1桁失点と守備陣が絶好調のシーホークスから点が奪えない。
第2クォーターにチャンスを迎えるが、シーホークスの守りに遮られフィールドゴールの3点で攻撃を終える。
対するシーホークスは、QBラッセル・ウィルソンからTEルーク・ウィルソンへのパスがこの試合よく通った。3点を追う第2クォーターも、ルークへの80ヤードタッチダウンパスですぐに逆転。RBマショーン・リンチの野性味溢れるランでもタッチダウンを奪い、第2クォーターで早くも14-3と突き放す。
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QBラッセル・ウィルソン(2014年12月21日)(c)Getty Images
カーディナルスも第3クォーターに再びフィールドゴールを奪い、14-6と8点差まで追い上げる。
地区首位の意地を見せるかと思われたカーディナルス。だがこの後は拙攻を繰り返してしまう。QBの相次ぐ離脱で本来3番手のリンドリーを先発させたが、あわやインターセプトというパスが何度か見られ、ボールが手に着かず落としてしまうこともあった。
1年目のトーマスに交代する場面もあったが、誰もいないところに大きく外したパス1本で再びリンドリーに交代。
シーホークスはラッセルからルークへのパスが通り、第4クォーターにまたタッチダウンを奪う。そして体調不良によりベンチスタートになったはずのマショーン・リンチが、コンディションの悪さなど感じさせない、力強いランを披露。
細かなステップで密集地帯を抜け出すと、2人に囲まれながら左腕を巧みに使い、突き倒してエンドゾーンに走り込む。79ヤードを独走するランにピート・キャロルHCも大興奮だった。
第4クォーターに3タッチダウン、3キックを成功させたシーホークスが、カーディナルスに大差をつけ勝利した。
この結果で両チームが11勝4敗で並んだ。しかし直接対決でシーホークスが2連勝しており、順位ではカーディナルスを抜いて逆転首位。昨年スーパーボウル覇者のシーホークス。シーズン開幕当初は調子が上がらない時期もあったが、ここに来てオフェンス、ディフェンスとも王者の姿を取り戻してきた。
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ルーク・ウィルソン(2014年12月21日)(c)Getty Images
この試合にファンは「今週も鉄壁のディフェンス陣絶好調! 来週も勝って、第一シードでプレーオフじゃ」「圧勝!ディフェンス陣がここのところほぼTDを許さない試合だったが今日はそれプラス攻撃陣が最高!」「出だし微妙だったけど中盤からの巻き返しは流石去年の王者ですね」と、プレイオフに向け調子を上げてきたチームを逞しく見ている。
リンチの破壊的なランには「ディフェンスをなぎ倒し引きずりながら進むビーストモード。ヒグマも逃げ出すレベル」「リンチのビーストモードも炸裂した!!」など、体調不良を感じさせないプレイに驚きの声が聞かれた。
NFLレギュラーシーズンは、いよいよ来週で終わり。最終週まで地区優勝や第1シード争いの行方が分からない、もつれた展開となった。シーホークスは地区最下位ラムズとの試合が予定されている。勝って地区王者としてプレイオフに臨めるか。