「誰にでも可能性」カナヅチから世界2位、人魚ジャパン岡本美鈴選手インタビュー | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

「誰にでも可能性」カナヅチから世界2位、人魚ジャパン岡本美鈴選手インタビュー

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人魚ジャパンの岡本美鈴選手
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9月16日~27日にかけてイタリア・サルディーニャ島にて行なわれたフリーダイビング世界選手権・団体戦「AIDA Team World championship」。大会において総合2位で銀メダルを獲得した日本代表・女子チーム(通称人魚ジャパン)。

人魚ジャパンの大黒柱、岡本美鈴選手に単独インタビューを実施した。柔らかい語り口に謙虚な姿勢は、選手である前に一人の人間としての強い魅力が醸し出されていた。


---:フリーダイビングをはじめたきっかけは

岡本選手(以下敬称略):1999年にドルフィンツアーでイルカを見に行ったんです。20歳後半の時ですね。

それまで私、足のつかない海に入ったことがなかったようなカナヅチだったんです。でも、その時はじめてライフジャケットをつけて海に入って、イルカと一緒に自由に泳いでいる人を見て、「私もあっち側にいきたい、自由に泳ぎたい、潜りたい!!」そう思ったのがそもそものきっかけですね。

---:フリーダイビングをはじめてよかったことは

岡本:例えばみなさん、陸で生きていたら「空を自由に飛びたい」とか思ったりして憧れるじゃないですか。その憧れが海の中で実現できちゃうんですよ。まさに、海の中で「飛んでいる」ような感覚が味わえちゃうんです。

海に潜る、息を止める、っていうことにはリスクはつきものなんですけれど、そのリスクを受け止めて、管理方法を学ぶことができる、っていうのがフリーダイビングなんですね。

---:岡本選手の人生に対しても影響があったようです

岡本:生きやすくなりましたね。私、性格が変わったんですよ。フリーダイビングは、息をとめて行うスポーツなので、常にリラックスしていたいんです。イライラしたくないんですね。血圧が上がってしまうから。

そういう気持ちを抑えるトレーニングを色々としたので、すごく舞い上がったり、すごく落ち込んだり、っていうのがなくなりましたね。知らないうちに誰かを傷つけているのかもしれませんが、少なくとも自分は生きやすくなりました(笑)。

---:気持ちを落ち着かせて生きる、コツはありますか

岡本:自分を俯瞰することですね。モニター室みたいなところで自分を見るイメージです。「あぁ、いま自分はこう感じているな、どうしてこう感じているんだろ…?」って、客観的に自分をとらえていこうとすると、だんだんと落ち着いてきたりしますね。

---:岡本選手が感じるフリーダイビングの魅力は

岡本:海の中を潜っていくと、その人なりに得るものが必ずあります。フリーダイビングは、それをどんどん伸ばしていくことなんですね。

潜るたびに毎回海の表情は違うし、海の様子、新しい魚との出会い、色々な意味でのトラブルも、すごく魅力的です。人は海から生まれたのだな、ということを感じざるをえないですね…。

スポーツとしてのフリーダイビングは、自分の成長が数字となって実感できることや、どんどん自分の身体が健康になっていくこと、仲間と喜びを分かち合えることが魅力的な点です。

また、「年齢を重ねてからでも進化できる」というのも大きいですね。フリーダイビングは、非常に門戸の広いスポーツであり、誰にでも可能性があります。

ロシアの世界記録を更新し続けているナタリア選手は50歳を超えているし、私も20代後半まではカナヅチでしたから…(笑)

競技としてのフリーダイビングはあくまで一側面であって、純粋に海の中で楽しむことができるスポーツ、海という世界で自由に遊ぶことのできる素晴らしいスポーツとして、皆さんにもぜひ体験してほしいと思います。

---:フリーダイビングは端的に表現するとどんなスポーツでしょうか

岡本:正直に「こういうスポーツだよ」って答えると「ストイックだなぁ」とか、「きつそう、俺には無理」って言われることが結構あるんです。でも、けっして我慢するスポーツではないんですね。

もちろん、競技としての最後のポイントは我慢することが求められますけれど、基本的にはそういうわけではありません。誰でも「苦しくない時間」ってあるじゃないですか。その「苦しくない時間を伸ばしていくこと」が、フリーダイビングのトレーニングをすることなんです。

こうやって取材いただいた方がレッスンを受けてくれるんですよね(笑)。ぜひやった方がいいですよ(笑)。
《大日方航》

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