【インタビュー】日本サッカーが次の4年で世界をリードするために。アディダスmiCoachの可能性 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【インタビュー】日本サッカーが次の4年で世界をリードするために。アディダスmiCoachの可能性

オピニオン ボイス
アディダスmiCoach、国内展開会見のようす
  • アディダスmiCoach、国内展開会見のようす
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  • アディダスジャパン・アディダスマーケティング事業本部の山下崇氏
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アディダスが展開する『miCoach』シリーズ。心拍数を基にリアルタイムのコーチングが可能になるウェアラブルデバイスだ。世界的には、サッカーの代表チームや、最高峰のプロチームが続々と利用を開始している。

FIFAワールドカップ2014ブラジル大会では、惜しくも日本代表の敗退が決まった。次の4年、新たな世代のチームづくりには、ウェアラブルデバイスを活用したスポーツテクノロジーがその一助になるかもしれない。

すでに日本でいち早く導入を決めたのは横浜F・マリノス。『miCoach elite』を採用した。アディダスジャパン・アディダスマーケティング事業本部の山下崇氏に今後のサービス展開などについて話を聞いた。

◆ウェアラブル元年にアディダスが仕掛ける「一般化」

…2014年は各分野からウェアラブルデバイスの発表が相次いで、まさに“ウェアラブル元年”と言ってもいいと思いますが、これまでの進化についてどのように見ていますか?

アディダス山下崇氏(以下敬称略):我々も4年前から本格的な普及を目指して開発を続けてきました。発売当初の製品はアスリートの皆さんが使うには難しい側面がありましたが、最近では、アディダスが得意とするフットボールとかサッカーの世界にも“スピードセル”のような製品を出せたのが、今日までの大きな進歩だと考えています。

…本格的普及に向けた課題や、シューズやウェアのように一般化する可能性はあるのでしょうか?

山下:現状では、ウェアラブルデバイスはトップアスリートが使うものと考えられてしまっていますが、我々は一般の人にこそウェアラブルデバイスを使ってもらいたいと思っています。端末を身につけることより、心拍数を管理してより短い時間で効率的なトレーニングが可能となるなど、トップアスリートをサポートするコーチが身近にいるようなものになるよう、製品開発を続けています。

…心拍数を計測するシステムにした理由は?

山下:心拍数を測るものとしては、医療分野にそうした装置がありましたが、アスリート目線で改良を施したのが「miCoach」シリーズになります。心拍数を測るメリットとして、例えばジムで一生懸命バイクをこぐといった場合、一般的な活動量計は動きを測るだけですが、アスリートの心拍数を測ることで、より明確に活動量を示すことが出来ます。日常生活における活動を活動量計で視覚化するアプローチもあるかと思いますが、やはり、我々はスポーツブランドとして、スポーツをして得られる活動量を測ることにこだわっています。

◆アディダスブランドの方向性

…これまでのブランドイメージに加えて、新たなソフトウェアやサービスを提供する部分で新しいブランドイメージが出来上がると思いますが、そこに対する意気込みはありますか?

山下:今後、スポーツの世界にテクノロジーが入ってくることで、様々なことが明らかになってくると思います。サッカーの例で言いますと、選手達の心拍数を見ていて、試合中に香川選手は全力で走っている、メッシ選手は体力を温存していると、個々の選手の動きが解ったり、パスをうまく繋いで点を取るチームは選手全体の活動量は低くても高いパフォーマンスを出している、ということなども解ってしまいます。

我々も開発する中で悩みがあり、デバイスやソフトウェアの進化で明らかになる部分があっても、踏み込んではいけない領域があると思っています。ウェアラブル端末から吸い上げられたデータに関して、最低限のデータの見方を提供するのは我々の責任ですが、データの活用をどこまで踏み込んでやるのかは悩ましい部分です。

そこは、やはりアディダスはスポーツブランドですので、アスリートの皆さんをサポートするのが本来の姿になると思います。プロスポーツの分野においても、ウェアラブル端末を使ったスポーツテクノロジーの導入は加速していくと思われますが、集まったデータをみてどう判断するのかは、あくまでもアスリートとコーチで決めるというスタンスになりますね。

…アディダスとしては、アスリートのサポートに徹するということですね。

山下:そうですね。miCoachにおいても、心拍数を使ったトレーニングプログラムは“アスリートパフォーマンス”と呼ばれるアメリカの専門家集団にお願いして作り上げたもので、プロアスリートをサポートするフィジカルコーチには良く知られたプログラムになっています。

ウェアラブル端末を使ったスポーツとテクノロジーの関係は始まったばかりです。今後、我々としては一般の人に興味を持ってもらうきっかけとして、miCoachを導入した選手やチームの活用例を示していきたいです。

…miCoachシリーズの今後の展開を教えてください。

山下:スマートランの次のバージョンは着々と開発が進んでいて、バリエーション展開が進むと思います。今年中には何らかの発表が出来ると思うので、期待していてください。
《文責:椿山和雄 まとめ/構成:土屋篤司》
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