【澤田裕のさいくるくるりん】 もともとレース機材として生まれたロードバイクを、ツーリングに使う人が増えています。ただ、かさばる荷物をどうするか? 特に泊まりがけともなると悩みます。
ツーリング用の自転車ならフレームに取り付けたキャリヤに積めますが、ロードバイクではフロントバッグを取り付ける、あるいはシートポストに専用のキャリヤやバッグを取り付け、そこに積むぐらいしかありません。ただし、このキャリヤやバッグはカーボン製のシートポストには対応しておらず、積める荷物の量も限られます。私の愛車もシートポストはカーボン製。そこでオルトリーブの比較的大きなサドルバッグを利用しています。
私はこのサドルバッグに厚みのないフロントバッグをプラスした格好で、2泊3日のツーリングをこなしました。レインウェアやその他のパーツも含め、自転車からすべて外してもご覧のとおり。テントや寝袋を持参する昔ながらのツーリングと比べ、思いのほか荷物が少ないことに驚かれるのではないでしょうか。
中身も見ていただきましょう。フロントバッグには携帯電話やデジタルカメラ、アイポッド、財布、ケーブル類と充電池の入ったポーチ、ハンカチ&ティッシュ、市販薬(風邪薬、胃薬、日焼け止め、かゆみ止め)、モバイルルーター、アイパッド、キーが、そしてサドルバッグには着替えと輪行バッグ、フレームカバーや軍手の入ったポーチ、携帯工具、スペアチューブ、パンク修理キット、CO2ボンベが収まっています。食事や寝具が用意された宿泊まりが前提なら、これで何不自由なく旅を続けることができます。着替えは1組だけなので、入浴をする際に洗います。
背負うバッグの利用は極力避けます。そのおかげで背中は蒸れませんし、ダンシングも楽にできます。長時間のライドでお尻が痛くなることもありません。また、一般にフロントバッグを付けるとハンドルの操作性を損ないますが、私が使っているものなら重量が限られるうえにステアリングコラムからの距離が近いため、その影響は最小限にとどまります。駅などでの輪行バッグを抱えての移動も、総重量が少ないので苦になりません。
いくら車重8kgを切るようなカーボンバイクを手に入れても、荷物が重いとせっかくの軽さが相殺されてしまいます。荷物を厳選して身軽さを損なわないこと。これがロードバイクでの泊まりがけツーリングの極意です。
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