ツール・ド・フランス13 みどころ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

ツール・ド・フランス13 みどころ

スポーツ 短信
ツール・ド・フランスって、日本ではまだマイナーだけど、ヨーロッパではサッカーと並ぶ人気のスポーツ。時には人生に例えられるほど文化として浸透している。 一体何が、どれほどスゴイのか?なぜ人々をそこまで熱狂させるのか?これを読めば納得できる!
世界規模で行われる「ツール・ド・フランス」
約20億人が観戦するスポーツ界の一大イベントは2013年にいよいよ第100回記念大会を迎える。
ツール・ド・フランス写真
1903年に第一回が開催され、2013年で100回となる歴史を持つ自転車レース。日本ではまだまだ認知度が高いとは言えないが、世界的にはオリンピック、サッカーW杯に並ぶ世界3大スポーツイベントの一つに数えられているほど人気が高い。期間中の観戦者だけでも1500万人、190カ国に中継されるTV放送を含めると世界中で約20億人が観戦するという、まさに世界最高峰と呼ぶべきスポーツイベントなのだ。
選りすぐられた選手たち
体脂肪率5%・平均走行距離170km/日・最高時速100km以上の超人
ツール・ド・フランス写真
体脂肪率5%という究極の肉体を持つ198人の選手達は、アルプス、ピレネー、中央山塊の山岳地帯を越え、1日平均170kmを走り、3週間をかけてフランスをほぼ1周する。選手たちが消費するエネルギーは1日7,000キロカロリーともいわれ、レースを完走するには超人的な体力だけでなく、並外れた精神力も必要となる。地球上で最も過酷なレースと称されるゆえんだ。時速50kmものスピードで1時間以上走り続ける選手や、たった2cm幅のタイヤに命を預け、時速100kmで山道を下る選手には、人間の無限の可能性を感じてしまう。
地球上で最も過酷なレース、ツール・ド・フランスのコースとは?
2,000m級の山岳をいくつも越え、3600kmもの距離を走破する
ツール・ド・フランス写真
23日間、総走行距離3,600kmのレースにはバラエティに富んだコースが設定される。筋肉質のスプリンターたちが時速70kmものスピードでゴールに飛び込んでくる平坦ステージもあれば、アルプスやピレネーの急勾配を駆け上がる山岳ステージもある。選手個人の力が試される個人タイムトライアルもある。このような多様なコースレイアウトが選手をふるいにかけ、観客を熱狂の渦に巻き込むのだ。目指すゴールは花の都、パリ。最終日には華やかなシャンゼリゼ大通りが全面通行止めになり、闘い抜いた選手たちの凱旋を迎える。
一切の贅肉を排除し、走るためだけに作られた自転車界のF1マシン
「たかが自転車」と侮るなかれ。最先端技術が投入される究極の戦闘機
ツール・ド・フランス写真
レースに使用される自転車は「ロードバイク」と呼ばれる競技用自転車。選手達の持つ力を最大限に引き出せるように、最先端の技術が投入され、非常に軽量で強靭に作られている。素材には特殊なカーボンが使用され、7kg弱という軽さ(シティサイクルの1/3程度)ながら、時速100kmを超えるダウンヒルや時速70kmにもなるスプリントにも耐える。その車両価格は100万円を超すことも多く、開発費に数億円がかけられている自転車もあるという。人間の脚力を極限まで引き出すために、効率を追及し進化したこの「ロードバイク」という戦闘機は、実は地球上で最もエネルギー効率の良い乗り物となっている。
世界一の自転車選手の証、「マイヨジョーヌ」を巡る熾烈な闘い
緻密な戦略や駆け引きなども自転車競技特有の見どころ
ツール・ド・フランス写真
選手が奪い合うのは、フランス一周をだれよりも速く駆け抜けた者に与えられる栄光のジャージ「マイヨジョーヌ」だ。この黄色いジャージをめぐり、夏のフランスを舞台に熱く、激しく、見る者に深い感動を与える数々のドラマが生まれる。各チームには「エース」とそれをサポートする「アシスト」という役割分担があり、アシストはエースのために自らの体力を削りながら風除けになり、補給食やドリンクを運び、時にはメカトラブルに見舞われたエースに自分のバイクを差し出すことさえある。エースの栄光の影には、結果だけでは見えてこないアシスト選手の献身的な働きがあるのだ。さらに緻密な計算の上に成り立つチーム戦術や、各選手の思惑が交錯する駆け引きなども見どころの一つとなっている。
《編集部》
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