第12回全日本自転車競技選手権ロードレースが6月28日(日)に広島県立中央森林公園で行われ、エリート女子クラスで西加南子(フォーカス・アウトドアプロダクツ)が優勝した。
11年連続で全日本選手権を制してきた沖美穂が08年末に引退したため、12年ぶりの新女王が誕生することになった。女子の有力選手たちは誰もが優勝を狙い、いつにない緊張感に包まれていた。
レースは前半に牧瀬翼(MUUR ZERO)が飛び出し、集団を引き離して先頭を走った。しかし、後半に入った頃に集団に追いつかれた。その後、同じように西も集団から飛び出したが、残り2周で吸収された。
最終周回の後半では、優勝候補の萩原麻由子と針谷千紗子が足の痙攣により、まさかの後退。その時点で集団は5人になり、勝負はゴールスプリントに持ち込まれた。
ゴールで集団は横一列になり、誰が勝つかわからない状況になった。ゴール寸前、わずかにリードしたのは西。必死でもがき、声を上げてゴールした。
全身で喜びを表現する西は、ゴール直後地面に倒れ込んで、仰向けになって呼吸が回復するのを待った。
しばらくすると、その場で頭を抱え、声を出して泣き、優勝の喜びをかみしめていた。
以下は西選手のコメント
今回の全日本は沖さんがいないので、それぞれの選手が優勝を狙い、レースをしているということをひしひしと感じていた。私自身も、この日のためにたくさんのことを犠牲にして、トレーニングをしてきた。それは全選手がそうだと思う。
最終周回で優勝候補の萩原がいなくなったのはチャンスだと思ったし、みんなもそう思った。ゴール直前になっても優勝できるかはその時点で分からなかったけれど、必死でもがいた。寸前で前に出て勝利を確信した。
運もあったと思うけれど、長年続けてきた結果が勝利につながったと思う。本当に優勝できてうれしいです。年を重ねても、まだまだ頑張っていきたい。
《編集部》
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