山本幸平がパンクで欧州初優勝を逃す | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

山本幸平がパンクで欧州初優勝を逃す

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 4月11日にフランスでMTBレースのROCレサジェが開催され、ブリヂストン・アンカーからフランス遠征中の山本幸平が8位になった。レース終盤まで独走したが、痛恨のパンクによって順位を落としたが、手応えをつかんだレースだった。

 今年もROCレサジェのレースに出ることができてうれしかった。このレースは僕にとって何だか特別な思いがあるからだ。フランスに来て3年目になるが、初めての大きなレースがこのROCだった。何も分からないでスタート位置に着き、展開の速さやレースの規模、コース設定に驚きながら走っていた思いがある。そして50kmをボトル2本で走ったのも印象深い。何もかも新鮮に感じ取ることのできたレースがこの場所だった。

 今年も雨だ。毎年、雨のレース! もう慣れた。

 コース設定も覚えているし、心配することはなにひとつなくスタートを迎えた。この日はワールドカップ初戦と重なっていたこともあって、強豪選手のすべてが参加していたとは言わないが、なかなかのメンバーが揃っていた。

 皆が応援してくれている! コーチは「スタートして5kmは登りだし、様子を見ながら走れ」との指示だった。
 スタートは1列目の真ん中。うまくスタートできて、いい感じで進む。2分後。考えとは裏腹に勝手に身体が反応してしまい、先頭を走っている。「抑えよう」と思うが、身体は言うことを聞かない。そのまま先頭で進む。
 5kmを登りきり、下りへ入る。雨の影響で滑るスベル! でも楽しい!! 下り区間で追いつかれて、3人で2kmくらい進むが、登りに入るとペースが遅く感じてしまう。
「あ~」と思うと身体が反応してしまい、先頭に立ってしまう。そして踏み続けてしまって単独で先頭になった。イメージ通りなのでいいが、あっけないと思ってしまった。
 その後は淡々と走り、中盤までは後続に1分くらい差をあけて、走っていたと思う。
しかし集中していないのが分かっていた。気温が寒かったのもあるが、補給を取ろうと思って手放しでポケットに手を入れた瞬間に前転! 痛かった。しかし、それをキッカケにわれに返った!
「おいおい何をやっているのかッ」
 僕は勝つために走っているし追い込まないといい練習にならない! って思えるようになれた。そこからは集中もできて追い込めたし、いい感覚で身体全体を使えていた。

 残りも10km。気持ちよく優勝するか!と思ったのが汚点。その直後にパンクをしてしまった。フランス3年目にして初パンク。修理キットを持っていたので、あわてて直そうと試みるも全く修理キットが動かない。
チ~ン。1回やって2回やって3回やって。チ~ン。
 頭の中でカンカンカンとゴングがなって終了~~~!!って思った。
 もう押すしかない。2km、3kmは押して走った、でも意外にも全く抜かれない。そして、友人が来た。
「」パンクか?? これ使え!!とチューブとボンベをくれた。
 最高にうれしかった。ありがとうと言って修理に取りかかる。寒くて手に力が入らないが、うまく修理できて、後はゴール地点へと淡々と走った。
 本当に助かった。ゴール地点が途方もなく遠く感じていたのに、友人のお陰で無事にゴールできた。

 ゴール後、「本当にありがとう!」とお礼に行った。
「いい走りだったのに残念だね」といってくれた。
 なんて優しい人なんだと。感謝一杯だった。

 レースはというと8位でゴール。パンクが無ければ優勝!!と言いたいところだが、結果は結果。8位です。
 しかし、身体の反応と使い方。気持ちの面とレース展開のやり方。全て勉強になったレース。そして、確実に強くなっているのも実感できているのでうれしい!!
 まだまだだけれども、面白いです!!
《編集部》

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