NIPPO・梅丹チームがイタリアのフリウリで激闘 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

NIPPO・梅丹チームがイタリアのフリウリで激闘

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 5月9日から13日までの日程で開催されたイタリアのステージレース、ジロ・デッラ・フリウリに大門宏監督率いるNIPPO・梅丹チームが激闘を展開した。第2~4ステージまでを大門監督がレポートする。

■5月10日:第2ステージ(1部:83.9km)
☆マリウス、納得行かない7位
■5月10日:第2ステージ(2部:チームタイムトライアル:24km)
☆チームタイムトライアルで、1位から1分10秒差の17位と大活躍!

大会2日目を迎えてスロベニアとの国境の港町、トリエステをスタートした。
午後のチームタイムトライアルは、今回のメンバーのキャラクターから見ても、集中させて狙って行きたいので、午前中のステージは、他のチームの動きを見ながら、メイングループの中で様子を伺う走りを徹底させた。
入れ代わり2~3名のエスケープトライ以外は、レースは淡々と進む。
63km地点の3kmの登り区間も、バラけるが、下りで小集団も合体し、グルッポコンパクト...
結局150名のゴール勝負となる。

初日から、表情も良くなかったマリウスに、「調子次第では、トライしてみろ!」と無線で伝えたが、ゴール後、首を横に振り無言だったので、私もそれ以上は問いかけかった。(夜に届いたリザルトでは7位だった)
全員同タイムでゴール。

■24kmチームタイムトライアル

私たちのスタートは17時09分。
元々この種目のスペシャリストだったマリウスを中心に、コースの下見&ウオーミングアップを重ねる。
清水も元々ピストのスペシャリスト..

浅田監督から、各選手のキャラクター(特性)を聞いていたので、この種目に相応しい佐野をはじめ、このメンバーで結構行けるんじゃないかと感じた。

目標は10位を目安に設定。
彼らも経験がゼロに等しく、日本人は基本的にタイムトライアル系は苦手意識があるので、この目標設定は無謀にも思えたが、思い切って臨ませる。

結果はトップから1分10秒差の17位。
優勝はアメリカのBMCレーシングチーム。

走行ラインのとり方やローテーション(先頭交代のタイミング)など、修正すれば、確実に30秒は短縮できたと思う。30秒詰めれば、8位。
課題は、経験不足だけ!

次回のチームタイムトライアルが楽しみな結果となった。

佐野も初めてのTTバイクだったにも関わらず期待に応えてくれた。(スタート直前まで西メカニックと、ポジションのセッティングに苦労していた)

彼は、TTバイクに慣れ、タイムトライアルの経験を重ねれば、まだまだ伸びる選手だと思う。

中島も、彼だけディスクホイールを装着できなかったが、ペースを落とすことなく、タイム維持に貢献して期待に応えてくれた。

マリウスも決してベストコンディションではなかったが、全員をよくまとめた。
タイムトライアルが終わり、総合成績の行方は全く定まらなくなった。


■5月11日:第3ステージ(145km)
☆佐野が好調の兆しをアピール!

※コースプロフィール:前半は曲がりくねったフラットコース、120km付近から丘陵地帯に入り、135km地点に平均勾配10パーセント、約3kmの登り区間、そしてラスト1kmは、石畳&平均勾配8パーセントの登りゴール。

スタート直後から数名が飛び出すが、すかさずリーダーのBMCレーシングチーム(USA)がペースアップを計り、全てのアタックを潰していく。

予想された展開の中、先行した数名が合体し14名のエスケープグループが形成され、タイム差が開くかと思われたが、心配なのか力を見せ付けたいのか、またしてもBMCレーシングチームが、メイングループを牽引し、振り出しに戻してしまう。

我々も前夜のミーティングで、前半のエスケープに誰か必ず入る事を話し合っていたにも関わらず、送り込めなかっただけに、この状況は幸いした。

2度と失敗は許されない状況の中、清水良行、佐野淳也を含む数名が、先頭付近で攻撃を試みる。
この動きが成功し、他の5名も反応、すぐに30秒のアドバンテージを得る。

その直後、疲れていたのか清水が痛恨のコースミス! メイングループに戻る。
その後、佐野は他の5名とともに快調に飛ばす。

後半の丘陵地帯で、メイングループの中で先頭グループに入れる事が出来なかったチームの動きが活発する。
その区間でも佐野は良く耐えるが、メイングループに吸収された。

丘陵地帯後半、GPMの山岳ポイントに差し掛かり、井上、中島も絶好のポジションで登り口に突入。佐野、清水、マリウスも後を追う。
平均勾配10パーセントの登りに全開で挑む。

頂上を過ぎ、下りに差し掛かった所で、39名の先頭グループが形成された。

結果的に残念だったが、我々はそのグループに誰も送り込む事が出来無かった。
39名の次のグループで、佐野、中島、井上、そして昨日のレースで好調の兆しの見えたマリウスも続く。
ラスト1Kの石畳の登りに入り、前半から積極的に動いた、佐野が、追撃集団から攻撃に出て、39名には追い付かなかったが、TOPから1分22秒差の58位でゴール。

優勝はイタリアのチームで走るコロンビア人。

佐野のおかげで、力を温存できたはずの井上、中島は思っていた以上に、急坂を克服できなかったのが、悔やまれた。
登りが苦手なマリウスは、意外な事に、チームの中で佐野の次にゴール! トップとのタイム差は2分9秒。
レースをスタートから振り返ると、終始積極的に攻めた佐野の健闘が最後まで光ったステージだった。

チームにとって今日のステージは、結果的にも決して褒められた内容ではなかったが、マリウスも、復調の兆しが見え、佐野の躍進と共にチームにとっても大きな収穫となったと感じた。



■5月12日:第4ステージ(山岳ステージ・146km)
☆佐野、引き続き山岳での好調をアピール!

※コースプロフィール:昨日同様、前半は町から町を渡り歩く感じで、55km付近に丘(GPM)がある意外は曲がりくねったフラットコース。
84km地点から少しずつ登り始め、95km地点から本格的に登り始める。
頂上は110km地点。ラスト1kmは18パーセントの勾配。
そしてゴールまでラスト5kmは、平均勾配6パーセント。

スタート直後から数名が飛び出すが、すかさずリーダーのTEAM LUPI(ITA)がペースアップを計り、コントール。
サンマリノ登録のTEAM LUPIはウクライナをはじめロシア系の選手を主体に構成されてるためか、ウクライナ、ナショナルチームもグループコントールに協力している様子だ。

予想された展開の中、我々も機会を伺いながら攻撃するが、他の選手同様、ことごとく潰される。

昨日のチームミーティングでは、山岳で攻撃に出るメンバーと勝負させるために佐野と井上を温存し、中島、清水、マリウスで、前半のエスケープグループに入れるべく展開させる予定だったが、何も打つ手がないまま、リーダーチームにコントールされたまま、山岳の麓を迎える。

脱落選手が目立ち始める中、慣れない石畳の路面も響き、中島、井上、マリウス、とメイングループから遅れ始める。
しばらく経ってスピードアップに付いていけない清水も遅れ始める。

レースリーダー、総合上位、佐野を含むメイングループも、山岳の中盤から僅差でバラけ始めるが、約50名ぐらいに絞られた。強豪のグループの中で必死に耐えていた佐野も、頂上まで約10kmの九十九折れの登りで、数名と共にジワリジワリと遅れ始め、約8名で追撃する。

30名程度に絞られた前方のグループとチームカーの車列も、ずっと同じ間隔で前方に見える。
ペースは、佐野のグループと変わらない。

わずかな我慢が足らず、その辺りが実力の差なのだが、ペースの上げ下げに対応できなかったことが悔やまれる。先頭グループも、ラスト5km&頂上付近で、数名が抜け出した模様。

佐野も最後の18パーセントの壁を何とかクリアーし、8名とともに長い下りに。
頂上でTOPから約6分遅れ。
しかし追撃メイングループ(約30名)からは約4分しか遅れていない。

標高1700mとあって路肩には残雪も見られる中、快調に下る。
この時点で、TOPと最後尾の差は、30分以上。

佐野本来の山岳での実力を考えると決して悪くない位置だ。
ただ一緒に下ってる連中も、チームメイトが既に先行してるのか?前のグループに追い付こうという勢いが感じられない。長い下りの区間を終え、ゴールまでラスト5kmの登りに差し掛かる。

この辺りはGIROでも毎年通過する要所で、ZONCOLAN峠も傍に控える。
登りでのスローペース(PIANO&PIANO合唱隊)を警戒してか?
麓の手前から、イタリア選手が絶妙のタイミングで飛び出して行く。
佐野を何処から仕掛けさせるか思案してただけに、「先に行かれた」と感じたが後の祭り。

登り序盤ラスト4kmで、おもいっきり行かせる。
下りのスローペースが影響し、最初的に約10分の差を空けられるが、56位でゴール。
井上、清水、マリウスは、グルッペットに見事に嵌まってしまい、20分弱遅れでゴール。
序盤で遅れた中島も、良く粘り、その後のグルッペットでゴールした。

優勝は、スロベニアのSAVA(コンチネンタルチーム)に所属する、KERKEZ Viadimir。
リーダージャージのFILIPPOV(RUS(GRUPPO LUPI)は今日も2位に入り、ライバルを突き放した感がある。

総合上位の勝負は、ほぼ動かない雰囲気の中、最終日を迎える。
距離は短いが、昨日に引き続きの山岳コース。
速い展開が予想されるとともに、アシストたちの完走率も低いであろう...

ある意味、最終日は「グルッペット」は存在しない。
ゴールまで走り切ることに明確なモチベーションがなければやめてしまうのが常識だ。

そこには日本人の通常考える「完走の美学」も存在しない。
最終日も各自で課題を明確に発見することが大切。
次のレースにつながる走りを期待したい。
《編集部》
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