沖美穂がシーズン突入。オーストラリアに出発 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

沖美穂がシーズン突入。オーストラリアに出発

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 9年連続で日本のロードチャンピオンとして君臨する沖美穂(32)が1月28日にオーストラリアに出発した。シーズン前の本格的な走り込みとステージレース、ワールドカップ参戦のため。2008年の北京五輪を最終目標とする沖にとって、今季は日本選手の五輪枠を獲得する重要な1年。そのためシーズン序盤のワールドカップからフルパワーで走るつもりだ。

 沖が初めてオーストラリアに行ったのは7年前。シドニーオリンピックを前にして国際レースの経験を積むためにナショナルチームの一員として参戦した。
「当時は、走り方というよりロードレース自体ほとんど知らずに、チョロチョロ動き回ってばかり。何度も落車して、それでも無我夢中でいるうちに腕があがらなくなり、1番仲が良かった飯田香里さんにシャワーや服を着るのに手伝ってもらったほど。腕には大げさすぎるほどのテーピングを巻いて走っていたのを思い出します」
 飯田は見るに見兼ねて、当時の監督に「彼女が痛いというのは相当痛いということだから何とかして欲しい」と助言してくれた。ところが監督は「走って治すものだ」と取り合わなかったので、沖も意地になってしまった。
 こうして挑んだ初めてのワールドカップでも落車。落車したことの恥ずかしさがあって必死に集団を追いかけ、ゴールスプリントで15位になってようやく腕の痛さが和らいだという。しかしその後の1カ月は腕が全く動かなくなった。監督が福島県にある整骨院に連れていき、治療ですぐに動いたのには驚いたという。そこでようやく感謝した監督というのが、現在の沖のコーチである高橋松吉だ。
 沖は今年も高橋コーチとオーストラリアのアデレードに入って合宿する。
「このオーストラリアでの合宿を1年のキーポイントとしています。どれだけ集中していいトレーニングができるかで、3月からのヨーロッパ遠征活動が変わってきます。今回はどれだけ無我夢中で苦しめるかが私の課題です」
 7年前とは違って、世界の女子ロードレースでは仲間もできた。そのぶん逆に難しい部分も出てきた。成長率も目に見えなくなった今こそが、本当の勝負だと思っている。
《編集部》
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