
25日から開催された今季海外女子メジャー第3戦の「全米女子プロゴルフ選手権」に、国内ツアーからは桑木志帆たったひとりが出場し、24位タイ。同週には国内ツアーで開催されたのは高額賞金大会「EARTH MONDAMIN CUP」だったが、桑木は渡米を選択。14位タイと上々の順位だった全米女子オープンに続き、海外メジャーで確かな成長を感じさせた。
桑木はウッド系クラブの精度が高い。今回は、桑木のスイングを参考に、ウッド系クラブで綺麗にボールを払い打つポイントについて解説する。
◆【実際の映像】圧巻のツアー11年ぶりアルバトロス達成! 海外メジャーで成長の桑木志帆が見せた好ショット集
■パー5平均スコア1位
桑木はショットメーカーで、ドライバーショットの精度が高い。トータルドライビングは上位の常連で、2022年シーズンと2024年シーズン、そして昨季、1位となっており、今季現時点(6月30日時点)も2位で、3年連続4度目の1位を狙える状況となっている。
また、パー5の平均スコアが1位。2024年シーズンはイーグル数1位にも輝いており、ウッド系クラブの精度も、ツアー屈指のレベルであることを感じさせている。
5月に開催された「ブリヂストンレディスオープン」最終日にはアルバトロスを達成。この時、手にしたクラブは4番ユーティリティーだった。なお、このアルバトロスは国内ツアーでは2015年以来11年ぶりとなる記録である。
■手元が低く、ヘッドが垂れ下がらない
桑木のスイングのどういったポイントがウッド系クラブの高い精度を生んでいるのだろうか。
ひとつは、インパクト時の手元の高さ。手元が浮かずに低く抑えられている。そうすることで、ヘッドが垂れ下がらずにライ角(シャフトとヘッド底面の角度)に合った形でインパクトしやすくり、ミート率やフェース向きなどを安定させやすくなる。
特に、アルバトロスを達成したラフからのショットでは、この手元が浮かないインパクトは重要。ヘッドが垂れ下がってしまっては、ラフの抵抗に負けてフェースの向きが不安定になってしまい、方向が定まらない。また、ボールに力が伝わりにくくなるため、番手なりの飛距離を出しにくくなってしまう。
インパクトで手元を低くするためには、ハーフウェイダウン以降、お尻を前に出さずに、手元が通るスペースを確保する必要があるが、桑木はこれを実現させている。
「手元を浮かせてはいけない」という意識を持つにあたっての注意点としては、切り返し以降の早い段階でクラブを立たせないこと。切り返し直後から手元が低いインパクトポジションに意識が向かうと、クラブが立つ“スティープ”になってしまう。
そうなると、過度なアウトサイドインになるか、インパクト前に大きく手元が浮いてヘッドが垂れ下がるか、のどちらかになりやすくなる。
桑木は、トップ・オブ・スイングも切り返し直後もクラブが立たずに寝ている。これにより、ハーウェイダウンあたりからタイミングよく手元を低く抑える力を出すことができ、インパクト時のヘッド軌道やフェース向きを安定させることに成功している。
■年間女王争いへ
桑木は今季現時点でメルセデス・ランキング2位につけており、年間女王争いに加わっている。
次戦は7月9日から開催される海外女子メジャー第4戦「エビアン選手権」となる。7月2日から開催される「資生堂・JAL レディスオープン」は欠場するため、ポイントは稼げず、年間女王争いではやや不利になる。しかし、海外メジャーは、国内ツアー3日間大会の4倍のポイントを獲得でき、それがメルセデス・ランキングに反映される。
エビアン選手権では、桑木が国内ツアー屈指のショットメーカーらしさを見せられるか、そして、どれだけのポイントを稼げるか、注目したい。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。



