
シーズンオフにMLB挑戦を表明し、ホワイトソックスと契約を結んだ村上宗隆内野手。ポスティング申請時には、NPBでの実績に加え、その若さから大型契約が予想されていた。しかし、蓋を開けてみれば2年3,400万ドルという、市場予想よりも安価な契約となったことが驚きを持って伝えられた。
NPB史上最年少三冠王の肩書きをもってしても、MLBの編成担当者たちは「メジャーの速球に対応できるのか」「一塁守備はマイナスではないか」という疑念を拭いきれず、提示額は予想を大きく下回ったのだ。
ところが、村上は開幕から予想を上回る活躍をみせている。先日、MLB公式サイトが公開した記事「5 players off to roaring starts in their new uniforms(新しいユニフォーム姿で華々しいスタートを切った5選手)」の中でも特集され、村上の活躍要因を紐解いている。
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■ハードヒット率とバレル率ではリーグ上位にランクイン

村上宗隆の4/11時点での成績
まず、村上の打撃内容は単なる好調の域を超えていることをスタットキャストのデータを持って指摘。『ハードヒット率とバレル率ではリーグ上位にランクインしている』と言及するように、Hard-Hit%は50.0、Barrel% 15.4はリーグ全体を通してもトップレベルにある。特にバレル率は、全打球の5分の1近くが「本塁打になりやすい速度と角度」であることを示しており、芯で捉えた時の破壊力がエリートレベルであることがわかる。最初の52打席で4本塁打、OPS.834という数字は、もはや「適応期間」という言葉が必要ないことを物語っていると言えるだろう。
そして、もう1つのポイントが「早打ち」の誘惑に負けない、確かな選球眼だ。メジャー移籍直後の日本人打者が陥りやすいのが、結果を求めるあまりの「ボール球への手出し(チェイス)」だ。しかし、村上の指標は異常なほどの冷静さを示している。『日本での通算出塁率.394を支えた選球眼の良さも発揮している』とあるように、Chase %は20.0、BB%19.2とこちらもリーグトップレベルの数値を叩き出しているのだ。際どいコースを見送り、自身のスイングができる球が来るまで待てる。この“規律”こそが、村上を単なる長距離砲からリーグを代表する脅威へと押し上げている要因だと考えられるだろう。
一方、事前の指摘通りコンタクト率の低さは今後も改善すべきポイントだといえる。Whiff% 35.4、K%30.8は球界でもワーストに近い数値。現状は“当たれば飛ぶが、当たる可能性が低い”というのが実情だろう。さらに、懸念されていた守備でもOAA-1と平均以下となっているため、打撃が低調なものになれば守備でも足を引っ張ってしまうために使い所がないという判断をされてもおかしくはない。
しかし、低迷を続けるホワイトソックスにおいて村上は救世主のような存在であることは間違いない。もし、このままのペースでシーズンを駆け抜けたならば、「2年3,400万ドル」という条件は、MLB史に残る「最も安すぎた買い物」として記憶されることになるはずだ。
もちろん、村上にとってもこの契約は絶好のチャンスだ。2年で結果を残せば、20代後半で史上最高額の超大型契約も期待できる。またチームが低迷を続ければ、2年の契約を待たずしてトレードでコンテンダーのチームに移籍する可能性もあるのだ。また、低打率ではあるが長打と出塁能力に長けた姿に、アダム・ダンやカイル・シュワーバーといった選手を思い浮かべるファンも増えてくるかもしれない。
いずれにせよ、まだまだシーズンは序盤。自身の価値をどのように示していくのか、村上の今シーズンから目が離せない。
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