
「ノジマTリーグ 2025-2026シーズン」が19日、東京都の代々木第二体育館で行われ、木下アビエル神奈川は日本生命レッドエルフと対戦。マッチカウント3-1で勝利し、今季8勝目を挙げた。
第4マッチに起用され、チームを勝利に導いたのは張本美和。インドで行われた「第28回 ITTF-ATTUアジア卓球選手権大会 2025」では日本の主軸として銀メダル獲得に貢献した17歳が、現在の心境を語った。
◆【動画あり】張本美和がフルゲームの激闘を制しKA神奈川を首位に導く アジア選手権帰りも連勝の17歳エースは「Tリーグは楽しい」
■停滞と向き合うエースの胸中
張本美はアジア選手権で北朝鮮戦、シンガポール戦、中国戦すべてに出場し、銀メダルに貢献。KA神奈川でもこの日、赤江夏星に勝利してTリーグでの成績を4戦全勝とし、国内外でトップ選手としての地位を確立しつつある。
それでも、日本のエース格へと成長した張本美が語ったのは、現状に対する停滞感だった。この日苦戦を強いられた赤江との試合を振り返り、「前回の対戦で勝っていた相手とやると、自分の中では難しさがある。気持ち的には普通に入っているつもりでも、やっぱりどこか受け身になってしまう」と、“慣れられた相手”に対する難しさを明かした。
さらに、現状の課題については「もちろん技術面ではフォアハンドの強化をもっとしていかないといけない。最近は試合中に自信が持てなかったり、自分の技術に不安があったりして、自信を持ってプレーできていない。前の負け方より悔いが残っている」と分析しつつ、「『卓球はメンタルのゲーム』で、一番大事だと前から思っていたんですけど、最近はそれをより強く課題として感じている」と、ハイレベルな舞台で芽生えた気づきを語った。
世界ランキングでは日本勢トップの7位をキープ。15歳で注目を集め、16歳でパリ五輪に出場するなど飛躍を遂げてきたが、17歳の今、感じる“難しさ”があるという。
「17歳になってからも優勝はしているけど、『今あるもので優勝できた』という感じがあって。15歳や16歳のときはもっと“試合で成長できた”という感覚があった。今は試合をすればするほど、自分が持っている技術に自信をなくしていって、本当はできるはずのものも、自信を持って使えなくなっている」と、孫穎莎や王曼昱といった中国トップ選手との戦いを振り返りながら、現在の迷いや葛藤を素直に明かした。
アジア選手権から帰国して間もない中、Tリーグの連戦を戦い抜いた張本美は、次に「WTTスターコンテンダー・ロンドン」出場のため、再び海外へ向かう。トップ選手へと成長したからこそ抱える悩みを明かしながらも、最後は笑顔を見せた17歳。さらなるステージを目指し、今の自分と向き合い続ける。
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