
4年総額7200万ドル(約106億2800万円)の大型契約を結び、今季からドジャースに加わったタナー・スコット投手だが、連日のように救援失敗が続いている。
12日(日本時間13日)の敵地ジャイアンツ戦でも延長10回にサヨナラ満塁弾を被弾し、「癖を見抜かれているのかも」と発言。動揺を隠せない左腕に対し、米メディアは「ポストシーズンへ向けて最大の懸念材料」と手厳しい論調を展開している。
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■「球種が読まれている気がする」
チーム最多の21セーブを記録しているものの、山本由伸投手の勝利を3度帳消しにするなど救援失敗が目につくスコット。キャリアを通じては2018年と21年に許した6本塁打がシーズンワーストで、23年と24年の被弾数はわずか3本だった。ところが、ドジャース1年目の今季はすでに11本を浴びており、突然の一発病にかかっている。
12日(同13日)のジャイアンツ戦でも延長10回にサヨナラ満塁弾を打たれ、試合後には「うんざりしている。野球人生で最悪の1年だ」と語った。そして、「すべてのボールが読まれている気がする。(フォームに)癖が出ていて、それを見破られているかもしれないが、確証は持てない」と肩を落とした。
サヨナラ弾を浴びたボールは、ストライクゾーンから10センチほど高い97マイル(約156.1キロ)の速球。バットの芯で捉えることは難しく、バッテリーを組んだベン・ロートベット捕手も「あの球を打てるはずがない。本当に誰もあの球は打てないはずだ。いい直球だった」と話し、打者が確信を持ってスイングしていることに首をかしげた。
■「クセの有無は常に球団が監視」
ただ、米専門メディア『ドジャー・ブルー』は、「もしスコットの癖が見破られているのなら、これまでの多くの苦戦にも説明がつくだろう。しかし、不振はシーズンを通して続いており、その間もドジャースは全投手に対して癖がないか常に監視している」と指摘。その上で「彼のフォームに癖があったとすれば、チームがそれに気づいていないわけはない。しかし、もし本当に気づいていなければ、それこそ大問題だ」と伝えた。
そもそもスコットは直球とスライダーの2球種が中心であり、打者からすれば絞りやすいタイプ。試合状況やカウントなどから球種を読み当てられ、強振されたとしても不思議ではない。同メディアは最後、「いずれにせよドジャースはスコットに何が起きているのか突き止める必要がある」とし、癖の有無を含めて早急な改善を求めた。
また、米スポーツメディア『The Athletic』もタナーの守護神起用に疑問符を示し、「ブルペンは現在、防御率4.20(メジャー19位)と問題を抱えている。選択肢は限られているが、その中でもスコットが最大の懸念材料となっている」と主張した。
癖があるのか、それとも単に球威が落ちただけなのか、あるいは……ポストシーズンへ向けて重要なカギとなりそうだ。
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