
米スポーツメディア『The Athletic』は29日(日本時間30日)、両リーグのMVPレースを考察。ア・リーグはアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)とカル・ローリー捕手(マリナーズ)、ナ・リーグは大谷翔平投手(ドジャース)とカイル・シュワーバー外野手(フィリーズ)による一騎打ちの様相を呈しているが、投票のカギを握る指標などに言及した。
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■“投票者の飽き”に警鐘
今季もジャッジ、大谷がリードしてきたMVP争い。しかし、ここにきてローリーが捕手としてメジャー初の50本塁打に到達し、シュワーバーは1試合4発の離れ業でリーグトップの49号をマーク。強力なライバルの出現で、安泰と思われた両雄の牙城が崩れ始めている。
そこで、『The Athletic』の敏腕記者、ケン・ローゼンタール氏が今後の行方に言及。「ストーリー性ではなく、あくまで実力で選ばれなければならない」と指摘。一部でささやかれる「ジャッジや大谷はもう十分、新しい顔を推そう」という、いわゆる“投票者の飽き”に警鐘を鳴らした。
その上で同記者は、実力重視で公平に判断しようとすれば、投票者はますます指標・データに傾倒すると予想した。
例えば、ローリーは本塁打と打点でジャッジを上回るが、打率はかなり下回る。さらに、ジャッジのOPSは1.106で、ローリーは.939。167ポイント差は小さくないが、ローリーは「捕手」という難しいポジションをこなしており、この差を覆せると考える投票者がいてもおかしくない。つまり、どのデータをどう重視するか、それによって投票行動は変わってくるという主張だが、いずれにせよ接戦となっていることは間違いなさそうだ。
■重視される「WPA」
ジャッジは外野手で、ローリーは捕手。ポジションが違うため、守備面での優劣を比較することは難しい。ただ、大谷とシュワーバーはともにDH。同記者は「統計的な比較は容易」としつつ、ポイントはやはり「オオタニが投手でもあるということ」と指摘した。
「オオタニの投球をどう評価するにせよ、失点防止への貢献度は依然としてシュワーバーを大きく上回るはずだ。これまでシュワーバーは左翼手として66イニングほど守っており、オオタニの投球回数32回1/3よりは多い。しかし、自身の守備がプラス評価に値するとは、シュワーバー自身でさえ主張しないだろう」と記した。
さらに同記者は、今後重要視される指標として、捕手の価値が反映されにくい「WAR」ではなく、「WPA(Win Probability Added)」になると予想。特定のプレーが、試合結果にどれだけ影響を与えたか示すものだが、「オオタニはこの指標で他者を大きく引き離してメジャー首位に立っている。ローリーは3位で、ジャッジをわずかに上回る程度。シュワーバーは15位だった」とし、MVP争いで大谷が依然優位と示唆した。
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