
トレード期限が7月31日(日本時間8月1日)に迫る中、ガーディアンズのエマニュエル・クラセ投手が、MLB機構によるスポーツ賭博調査の一環として非懲戒処分の有給休職となった。調査の詳細は不明だが、休職期間は8月31日(同9月1日)までとなっており、事実上、今夏のトレード市場からは名前が消滅。移籍が有力視されていただけに、各球団の補強方針にも大きな影響を与えそうだ。
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■「リリーバーを獲得しなかったら驚き」
米紙『USA TODAY』の敏腕記者ボブ・ナイチンゲール氏は29日(同30日)、地元メディア『ドジャース・ネーション』のライブ番組「ドジャース・ダグアウト」に出演。チームの補強プランに言及し、「もしドジャースが、トレード期限までに少なくとも1人のリリーフ、試合終盤を任せられる投手を獲得しなかったら驚きだ」とし、負傷者が続出しているブルペン陣のテコ入れは当然のことと主張した。
ドジャースは休職となったガーディアンズ守護神クラセの移籍先として有力視されていたが、今回の処分を受けてターゲット変更を余儀なくされたチームの1つとされている。
米スポーツメディア『The Athletic』は同日、クラセが外れたトレード市場に言及。「抑え投手としてはカージナルスのライアン・ヘルズリー、パイレーツのデビッド・ベドナー、そしてレイズのピーター・フェアバンクスがトップ3を占めている。クラセが有給リストに入ったことで、彼らの価値が急上昇している」と伝えた。
■「移籍90%、残留10%」と明かす
その上で「カージナルスのヘルズリー獲得には複数球団が関心を示している。フィリーズ、ドジャース、メッツ、ブルージェイズ、タイガースが、オールスターゲームに2度選出された実績を持つクローザー獲得に名乗りを上げているようだ」と説明した。
昨年ナ・リーグトップの49セーブを挙げたヘルズリーは、今季ここまで36試合に登板(36イニング)し、21セーブをマーク。防御率は3.00で41奪三振を記録している。
ヘルズリー自身は先週、同メディアのインタビューに応じ、「移籍する可能性は90%、残留は10%」とし、移籍が既定路線であることを認めていた。
MLB公式サイトのマークファインサンド記者も自身のXを更新。「ヘルズリーは今や最も人気のあるトレードターゲットの1人であり、6球団ほどが程度の差はあれども関心を示している。情報筋によると、関心を示しているチームには、ヤンキース、メッツ、ドジャース、フィリーズ、レンジャーズ、ブルージェイズなどの名前がある」と記し、投稿した。
ヘルズリーを巡り、強豪球団同士の争奪戦に発展しているのか。トレード期限直前になって、注目度が一気に増している。
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