ノープレッシャーであればナンバー1 オールラウンダー米澤蓮が今季初優勝を狙う リシャール・ミルチャリティトーナメント | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

ノープレッシャーであればナンバー1 オールラウンダー米澤蓮が今季初優勝を狙う リシャール・ミルチャリティトーナメント

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ノープレッシャーであればナンバー1 オールラウンダー米澤蓮が今季初優勝を狙う リシャール・ミルチャリティトーナメント
  • ノープレッシャーであればナンバー1 オールラウンダー米澤蓮が今季初優勝を狙う リシャール・ミルチャリティトーナメント

31日から、石川県の能登カントリークラブで、リシャール・ミルチャリティトーナメントが開催される。この大会は令和6年能登半島地震・豪雨の被災地支援など、チャリティ活動一色の新規大会である。

今回注目したいのが米澤蓮

昨季、初優勝を含め2勝をあげた米澤は、今季いまだ優勝はないものの、8戦してトップ10が6回と高い安定感を見せ賞金ランキングが現時点(6月29日時点)で4位。賞金ランキング8位までで未勝利なのが米澤ただ一人、というのも際立つ安定感を示している。

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■オールアラウンドランキング3位

米澤はウィークポイントが少ないオールラウンドプレーヤーだ。今季の9部門をポイント換算した順位のオールアラウンドランキングが生源寺龍憲、金子駆大に次ぐ3位。

平均ストロークが2位、バーディ率が3位、パーキープ率が7位。

多くの項目が上位であるだけに、イーグル率の53位タイが目立ってしまっている現状だが、23年のイーグル率は18位だった。

イーグル率は1つイーグルを獲る度に、順位が大きく上がる可能性が高い。これからイーグルをコンスタントに獲得できれば、オールアラウンドランキング1位浮上の可能性が高まる。

■予選カット前の平均ストローク1位

米澤は予選ラウンドでのプレーの安定感が高く、今季現時点の予選カット前の平均ストロークが1位。

しかし、決勝ラウンドに入ってからはプレーが不安定になる傾向にあるようで、第3ラウンドが55位タイ、第4ラウンドが5位となっている。

あまりプレッシャーを感じずにプレーできる予選ラウンドではツアーナンバー1とも言えるプレーを見せられる。だが、“優勝”の二文字が脳裏をかすめプレッシャーがかかり始めると、少しずつ精彩を欠き始める傾向にあることがうかがえる。

この傾向は今季だけのものではない。24年の平均ストローク順位は、予選カット前も第3ラウンドも第4ラウンドもあまり変わらなかった。だが、23年は決勝ラウンドよりも予選ラウンドの方が明らかに安定感が高かった。

23年の平均ストロークは、予選カット前が9位、第3ラウンドが79位タイ、第4ラウンドが20位だった。

また、予選ラウンドと決勝ラウンドを比べるだけでなく、第3ラウンドと第4ラウンドを比べてみても、プレッシャーの大小の差がプレーの良し悪しに影響を与えていると見ることができるかもしれない。

今季や23年は、第3ラウンドの平均ストロークが極端に下位になっており、第4ラウンドの平均ストロークはまずまずの順位である。

ということは、優勝を狙える位置で迎えることが多い第3ラウンドは低調に終わることが多く、優勝が遠のいた第4ラウンドは調子を取り戻す傾向にある、と言える。

これも、米澤のプレッシャーがかかった時とそうでない時のプレーの傾向を表していると言えるのではないだろうか。

米澤はこれからも多くの大会で上位で予選を通過するだろう。そしてその時かかってくるプレッシャーをどう処理するかが、優勝できるかどうかに関わってきそうだ。

米澤蓮ラウンド毎の平均ストローク順位

米澤蓮ラウンド毎の平均ストローク順位

■ナショナルチームメンバー

米澤は、2018年アジア大会ゴルフ競技・団体で金メダルを獲得した。その時のメンバーには、1学年上の金谷拓実と1学年下の中島啓太らがいた。

23年は金谷と中島で賞金王を争った。現在は、金谷は米ツアーを、中島は欧州ツアーを主戦場にしている。

早く二人のように海外で戦えるだけの実績を残したい、という思いが強まることで、優勝を狙える位置にいるとスイングやストロークが乱れやすくなるのかもしれない。

米澤は、金谷や中島と同様に、ナショナルチームのガレス・ジョーンズ ヘッドコーチに師事しているようだ。

ジョーンズコーチは「プロは準備と計画がすべて」と言う。準備の質を高め、リシャール・ミルで通算3勝目を狙う。

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著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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