【MLB】大谷翔平、データで紐解く“新・投球スタイル”の恩恵とは? 復帰前との明確な変化で球質進化の予感 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【MLB】大谷翔平、データで紐解く“新・投球スタイル”の恩恵とは? 復帰前との明確な変化で球質進化の予感

新着 ビジネス
【MLB】大谷翔平、データで紐解く“新・投球スタイル”の恩恵とは? 復帰前との明確な変化で球質進化の予感
  • 【MLB】大谷翔平、データで紐解く“新・投球スタイル”の恩恵とは? 復帰前との明確な変化で球質進化の予感

6月16日(日本時間17日)、2023年以来2シーズンぶりとなるピッチングを披露したドジャース・大谷翔平投手。オープナーとして1回28球を投げ、2安打1失点という内容だったが最速は100.2マイル(約161km/h)を計測した。その後、今季はここまで4試合6イニングに登板し、失点は復帰戦の1失点のみ。防御率は1.50と“投手・大谷”は順調な仕上がりを見せている。

2度目となるトミー・ジョン手術ということもあり、完全復帰に際してはチーム関係者を含め慎重な姿勢を見せているが、大谷自身も負担が少なくなるようなピッチングスタイルを模索しているように思える。ノーワインドアップでの投球など一見してもわかる変化も多数あるが、具体的にはどのような点が変わったのか。MLBの公式データサイトであるBaseball Savantの数値を用いて大谷のニューピッチングスタイルを検証してみよう。

◆大谷翔平に先頭打者アーチを浴びた怪物ルーキー、なぜ動揺しなかったか……その理由は「ショウヘイだからね、予想していた」

■明らかに変わったアームアングル

まず、投球フォームとして一番大きく変わったのは投げる際のアームアングルだろう。2020年には45度だったアングルは今季35度と、10度ほど下がっている。スイーパーを武器にし始めた2022年ごろから、横の変化を大きくするために徐々に腕の位置が下がり始めた大谷だが、復帰後は負担を軽減させるためにスイーパーの変化量を抑えようと腕の位置を上げての投球も予想された。その点からは、このアームアングルの低下は少々意外だったかもしれない。

しかし、このアングル変化にこそ“ニュー大谷”を紐解く鍵がありそうだ。復帰登板となったパドレス戦にて、28球中8球という高い頻度で投げていたシンカー。この球を有効的に使い、球数を抑えながらの省エネピッチングを目指しているからこそアングルが低下しているのではないだろうか。復帰後2戦目となる6月22日(同23日)は0球、28日(同29日)には1球、7月5日(同6日)には2球と初戦ほど多く投げておらず、変わらずスイーパーと4シームが投球の機軸にはなっているものの、以前よりも平均球速が増した“魔球”は今後大きな武器になりそうだ。

■変化球だけでなく、速球にも進化の予感

また、低いアングルからのスプリットは縦方向よりも横にスライドしながら落ちていく傾向がある。投球数が少ないため、まだまだ正確ではないかもしれないが、今季ここまで投げたスプリットは2023年シーズンに投げていたものと比較しても、大きく横に曲がりながら落ちる軌道となっているのだ。この変化が意図して行なっているポジティブなものなのかどうかは、今後長いイニングを投げることでわかってくるだろう。

また“ニュー大谷”の進化は、球質にも表れている。サンプルが少ないものの、4シームの「アクティブ・スピン率(Active Spin Rate)」が上昇しているのだ。この数値は、投手の投げたボールの回転のうち、実際に変化に寄与している回転の割合を示すものだが、4シームの場合はこのパーセンテージが高ければ伸び上がるようなホップする直球になる。大谷の4シームのアクティブ・スピン率は故障前の76%から82%まで上昇(2021年81%、22年と23年が76%)、直球の質も向上しているといえるだろう。

まだまだ投球数も少なく過去のピッチングと正確に比較することはできないものの、明らかに以前とは異なる投球スタイルに進化している大谷。球数制限がなくなった際に、どのような“完成形”をみせてくれるのか注目していきたい。

◆怪物スキーンズの争奪戦が今夏勃発したら……「ドジャースはタイガースに競り負ける」と米メディア予想 佐々木朗希も交換要員か

◆「ドジャースに必要なのは左の強打者」公式がトレード期限前に補強ポイントを解説 マンシー離脱、コンフォート不振で“待ったなし”

◆「恐るべきスイーパー」大谷翔平、伝家の宝刀の“曲がり幅”に識者も感嘆 現地記者は二刀流に賛辞「彼は30本塁打を放つ」

《SPREAD》
page top