
ボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は5月4日(日本時間5日)、米国・ラスベガスのT-モバイルアリーナでのメインマッチでWBA同級1位ラモン・カルデナス(米国)との防衛戦に臨む。
米専門メディア『ボクシング・シーン』は2日(同3日)、カルデナスを指導するジョエル・ディアス氏のインタビュー記事を掲載。カルデナスの打撃力を強調し、「“モンスター”がラモンのパワーを感じたら彼の戦略は変わる。何かを変えざるを得なくなるだろう」と“予告”した。
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■「これまでも約8割が下馬評で劣勢だった」
ディアス氏はカルデナスの愛称“ダイナマイト”の由来である打撃のパワーと破壊力を「カルデナスはカネロ・アルバレスのような選手。1ラウンドでも、最終ラウンドでもKOできる」と称賛。「彼はパワーが強すぎる。ジムでもパンチ一発でノックアウトしようとしてくるんだ。だから、パンチの量を増やし、パワーも上げた」とKOを狙う算段のようだ。カルデナスは昨年4月のヘスス・ラミレス・ルビオ(メキシコ)とのWBA北米大陸スーパーバンタム級王座決定戦で9ラウンドでKO勝ちを収めている。
直近14連勝中のカルデナスだが、ディアス氏は「これまでの試合の約8割は、下馬評で劣勢だった。そこがいい。結果はいつも満足のいくものだった。下馬評で劣勢で、誰も期待していない方が試合を楽しめる」とも語り、これまで数々の番狂せを起こし、26勝(14KO)1敗の好戦績を残してきたカルデナスを称えた。
■9月のアフマダリエフ戦にも帯同予定、“井上撃破”に意欲
また、ディアス氏はカルデナスらが砂漠でのトレーニングにも精を出していることを明かした。「僕らもモンスターだ。イノウエは“モンスター”と呼ばれているが、48度の暑さの中でスパーリングできるのはモンスターだけだ」と“モンスター対決”であると主張。
さらに「ラモンは屈強なメキシカン(メキシコ系アメリカ人)で、素晴らしいメンタリティの持ち主だ。パワーがあり、本当に本当に強烈なパンチを繰り出す」と改めてカルデナスの打撃力を強調し、「最初の攻防でどちらかが倒れるだろう。一つだけ言えることは“モンスター”がラモンのパワーを感じたら、彼の戦略は変わる。何かを変えざるを得なくなるだろう」と“強襲”を予告した。
なお、カルデナスは9月14日に井上との試合が決定したムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)とチームメートであり、ディアス氏は9月の試合もアフマダリエフ陣営として参加するようだ。ディアス氏は「私は幸運なコーチだ。チャンスが2回ある。でも、ラモスが勝って厳しい状況を作りたい」と井上撃破への意欲を述べた。
井上はここまで29戦29勝(26KO)。4年ぶりのラスベガス再上陸で豪快なKOを見せ下馬評通りの圧勝を収めることができるか。
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