
5月17日からカタール・ドーハで開幕する「ITTF世界卓球選手権ファイナルズ・ドーハ大会(個人戦)」の組み合わせ抽選会が4月30日に行われた。
今大会世界の上位選手を揃えるのが日本の女子シングルス。中国勢に対抗できるかがメダル獲得に向けてカギを握る。
◆張本美和、早田ひな撃破の世界6位が「中国最大のライバル」 女王・孫穎莎らと互角勝負の16歳を警戒「対策を練る必要」
■早田は前回王芸迪撃破でエースへ
今回個人戦は初出場となる世界ランキング6位の張本美和(木下グループ)。第5シードに入った張本美は1回戦で同128位のマルガリタ・ペソツカ(ウクライナ)との初陣を迎える。メダル獲得も期待される16歳だが、準々決勝で第2シードの王曼昱(中国)と対戦の可能性があり、4月の「ITTF男女ワールドカップ」ではフルゲームの末に敗れた世界2位との再戦が実現すれば、興味深い戦いとなる。
前回大会で銅メダルに輝いたのが早田ひな(日本生命)で、準々決勝で王芸迪(中国)との死闘を制した早田はその後、初出場したパリ五輪でメダルを獲得するなど日本のエースに飛躍した。第6シードとして迎える今回は、同79位のアディナ・ディアコヌ(ルーマニア)との初陣。4回戦で第16シードの石洵瑶、準々決勝で第3シードの陳幸同との対戦が想定され、中国勢相手の戦いが2大会連続メダル獲得へ求められる。
■4回戦で同士討ち実現の可能性
第7シードに入ったのが大藤沙月(ミキハウス)で、4回戦まで勝ち上がると平野美宇(木下グループ)との同士討ちが実現する可能性がある。さらに、その先の準々決勝では第1シードの孫穎莎(中国)が待ち受ける可能性が大きい。大藤と平野の勝者が世界女王への挑戦権を手にする確率は高いだけに、目が離せないブロックとなる。
さらに、第8シードに入った伊藤美誠(スターツ)は4月のW杯で銅メダルに輝いており、復調の気配を見せる。同じ山には4回戦で対戦の可能性がある第10シードの鄭怡静(台湾)、準々決勝で対戦の可能性がある第3シードの王芸迪(中国)と実力者が控える。過去の世界卓球で個人戦のメダルはない伊藤だが、表彰台に入れば健在ぶりを示すことになる。

伊藤美誠(C)ITTF
第1シードから第4シードまでを中国勢、第5シードから第8シードまでを日本勢が占めた今回の女子シングルスは“日中対決”がメダルの行方を左右することは間違いない。充実の戦力を揃えた日本女子がどのように立ち向かうかは注目となる。
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