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ボクシングのWBOアジアパシフィック・バンタム級王者・那須川天心(帝拳)は24日、東京・有明アリーナで前WBO世界バンタム級王者のジェーソン・モロニー(オーストラリア)と53.9キロ契約の10回戦で対戦し、判定3ー0で勝利。ボクシング6連勝を飾った。
一方で、モロニー陣営は試合後の記者会見で判定結果に対し、「接戦だと思っていた。98ー92はアンフェアなのではないか」「モロニーはこの試合に勝てていたのでは」「今後このような不公平な採点がないことを祈る」と不満を吐露。
SNS上でもさまざまな意見が飛び交っているが、米ボクシング専門メディア『ボクシングシーン』は「判定は全会一致に値するものだった」「試合終了のゴングが鳴ったとき、ほとんど疑いの余地はなかった」と那須川の勝利は明らかだと報じている。
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■モロニーを「大きく上回るポテンシャルを見せた」
『ボクシングシーン』は前世界王者を倒した那須川を絶賛。「プロ6戦目にして、31戦目という実績のある相手を大きく上回るポテンシャルを見せつけた」とし、「試合終了のゴングが鳴り、10ラウンドを戦い抜いた2人のどちらに勝利の女神が微笑むのか、ほとんど疑いの余地はなかった」と判定結果は明確だったと伝えた。
さらに「彼の最も印象的な勝利(モロニー戦)は、同じ日本人ファイターであるジュント・ナカタニ(中谷潤人)やヨシキ・タケイ(武居由樹)に匹敵するようなハイレベルな戦いが期待できることを示した」とし、那須川が現バンタム級世界王者と同格の試合ができる可能性を説いた。
■海外ファンも驚き「すごい試合だった」
試合展開については「パンチの精度に優れるナスカワ(那須川)が、隙の多いモロニーに試練を与えた」「ボディへのパンチが少しずつ彼(モロニー)を苦しめた」と那須川の技術力を称賛。
6ラウンドにはモロニーの強烈なワンツーで那須川がダウンしかける場面もあったが「ナスカワは7ラウンドからリズムと勢いを取り戻した。ナスカワは右アッパーでモロニーを痛めつけ、この10ラウンドで最高のパンチを放った」とすぐに試合の主導権を取り戻した那須川を高評価。
一方のモロニーに対しては「モロニーのセコンドは『このラウンド(8ラウンド)を勝ち取らなければならない』と叫び、より積極的に攻めるよう促したが、モロニーが再び好印象を与えたのは10ラウンドに入ってからだった」となかなか手数が出なかった点を指摘した。
この記事には海外のボクシングファンがコメントが寄せられ、「すごい試合だった。個人的には引き分けに近いと思ったけど、判定には納得できる。この子は要注目だ」「6勝0敗の挑戦者はフットワークが素晴らしい。モロニーは2ラウンドにいい試合を見せたけど、それ以外は……」と那須川を評価する声が上がっている。
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