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米カリフォルニア州の連邦地裁は6日(日本時間7日)、ドジャース大谷翔平投手の元通訳で、銀行詐欺などの罪に問われている水原一平被告に対し、検察の求刑通り禁錮4年9カ月を言い渡した。
大谷への賠償金として、1697万ドル(約25億7000万円)超の支払いも命じた。米メディアが一斉に伝えた。
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■「申し訳なく思う」と謝罪も
大谷の銀行口座から多額の金を不正送金していた水原被告。銀行詐欺罪などに問われていたが、すでに司法取引に応じており、量刑についても事前にほぼ合意。控訴しないことも決まっていた。
同被告は量刑言い渡しの前に証言台に立ち「大谷翔平選手に対して申し訳なく思う。自分を正当化することはしない」と謝罪。表情は硬く、消え入るような声だったという。
即日収監されることはなく、3月24日に南カリフォルニアの刑務所に収監される予定となっている。そのため、この日は弁護士の手配した車で帰路についたが、報道陣の問いかけには無言を貫いた。
■「寄せられた信頼を利用」
一方、量刑言い渡しを見届けた検察は地裁前で取材に応じた。連邦検事代理のジョセフ・マクナリー氏は「ドジャースのスター選手、ショウヘイ・オオタニ氏の元通訳は、英語を話せず、米国で野球界を生き抜こうとする彼の立場の弱さにつけ込んだ」と厳しく指摘。
さらに「検察官たちは何時間もかけてテキストメッセージ、メールのやり取りをチェックした。銀行記録を精査し、関係者への聞き取りも行った。そして、そこから導き出される結論は1つだけだった。オオタニ氏はこの事件の被害者であり、ミズハラ氏に利用され、食い物にされたということ。ミズハラ氏の行動は恥知らずだった」と振り返り、非難した。
その上で「残念ながらこのような事件はよくあり、今回は特に目立ったケース。悪意のある人物が自分に寄せられた信頼を利用し、立場の弱い個人を食い物にするということ」と説明した。
なお、同被告は刑期を終えると、日本への強制送還が見込まれている。
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