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MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは6日(日本時間7日)、オーナー会議に出席後、大型補強を続けるドジャースについて「素晴らしい運営をしている」と擁護。球団格差が広がる中、サラリーキャップ(チームの総年俸に上限を設ける)導入を求める声が高まっていることを念頭に発言した。
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■「うまく運営され、優れた組織」
大量の資金を投下しつつ、「年俸の後払い」というスキームを駆使して大物選手を次々と獲得しているドジャース。“独り勝ち”となっている状況に対して、他球団のオーナーからはサラリーキャップ制の導入を求める声があがり、ファンからも「野球を台無しにしている」という批判が寄せられている。
しかし、取材に応じたマンフレッド・コミッショナーは「そういう(ドジャースが野球を台無しにし、スポーツを悪化させているという)考えには同意しない。ドジャースは本当にうまく運営され、優れた組織。彼らが行っていること、これまで行ってきたことはすべて、私たちのルールに則っている」と擁護した。
さらに「ドジャースはファンに最高のチームを提供しようと努力しており、それはすべて素晴らしいこと。しかし、多くのファンが自分の応援するチームの競争力について懸念を抱いていることも認識している。私宛に送られてくるメールにもそのことが反映されている。我々はファンが何かを懸念している時には注意を払う必要がある。しかし、その原因をドジャースだけに押し付けるべきではない」と発言し、ライバル球団の支出不足などにも問題があると示唆した。
■サラリーキャップ導入を求める声も
ただ、ヤンキースのハル・スタインブレナー・オーナーが「私たちオーナーのほとんどが、ドジャースのように支出するのは難しい」と嘆いたほか、オリオールズの共同オーナーであるデビッド・ルーベンスタイン氏も「MLBもNFLやNBA同様にサラリーキャップ制を導入する必要がある」とコメントするなど、ドジャースの“独り勝ち”に対する不満はくすぶっている。
現在の労使協定は2026年12月に失効する。同年春から新労使協定の締結を目指してMLBと選手会側は交渉を始めるが、ドジャースの“1強体制”がこのまま続けば、戦力均衡化と年俸抑制を求めるオーナー陣がサラリーキャップの導入を求めてくる可能性は高い。しかし、交渉で議題に上がれば、選手会が反対するのは明らか。
今回、コミッショナーはドジャースの球団運営に理解を示した。しかし「(新労使協定は)まだ2年先の話。今後状況は変わり、それによってより良い決定を下せるようになるだろう」ともコメント。選手とオーナーの対立だけでなく、オーナー間の対立も考えられるため、交渉は波乱含みとなりそうだ。
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