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MLB公式サイトは30日(日本時間31日)、ラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)を特集。ケガによる離脱が目立つものの、スタッツで振り返ると非凡なものが見えるという。シーズン通してプレーできれば、スーパースターの仲間入りを果たす可能性は十分にありそうだ。
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■「常に試合に出られる状態をキープ」
侍ジャパンの一員としてプレーし、日本にも多くのファンがいるヌートバー。ハッスルプレーが持ち味で、飛球を追ってフェンスに激突するシーンもたびたび。負傷も少なくなく、過去2シーズンで5回負傷者リスト(IL)入りしており、出場数は2023年の117試合がキャリア最高で、昨季も109試合に留まっている。
ヌートバーも自身の課題を理解しており、18日(同19日)に行われたカージナルスのファンフェスタに参加した際には「私にとって重要なのは、とにかくグラウンドに立ち続けること。これまでを振り返っても、途切れることなく試合に出続けていた時に良いプレーができていた」とコメント。「自分の能力には自信がある。だから、大事なのはそれを発揮するために、常に試合に出られる状態をキープすることなんだ」とし、離脱期間を作らないことを今季の目標に掲げた。
これを受けて、データ解析システム「スタットキャスト」を担当するデビッド・アドラー氏も後押し。「ヌートバーのスタットキャストは要注目」とし、「指標は彼の高い能力を裏付けている」と紹介した。
■もっとも注目すべき「ハードヒット率」
同氏が挙げた指標は主に3つで、最初に指摘したのは「ハードヒット率」。全打球のうち、95マイル(約152.9キロ)を超える強打がどれだけあったかを示す数字だが、昨季のヌートバーはキャリア最高の49.5%を記録した。同氏は「もっとも注目すべきで、非常に優れている。メジャー全体で上位10%にランクインしている。打球の約半分がハードヒットなら、高い生産性を誇る打者になれる可能性が高い」と解説した。
2番目に注目したのは、以前から評価の高かった「選球眼」。同記者は「ヌートバーの打者としての土台は卓越した選球眼にある。彼が一貫して強い打球を放てるのはこのおかげだ。悪い球には手を出さず、良い球をしっかり叩くことができる」と強調。実際、ボール球に対してスイングをかける割合を示す「チェイス率」は16.9%で、昨季400打席以上の打者ではメジャー全体でもっとも低い数字となっている。
そして、ラストは最近重視されている「ブラスト率」。一定以上のスピードでスイングし、且つ正確に捉えた打球の割合を示す指標だが、ここでもヌートバーは上位につけている。ブラストを生み出したスイングは17.8%で、500スイング以上の打者では、大谷翔平投手(ドジャース)と並び全体8位となっている。
同記者は「シーズンの初めから終わりまで、これまで通りのスイングを続ければ、メジャーでも指折りの打者になれるだろう」と太鼓判を押した。今季は本格的なブレイクが見られるかもしれない。
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