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アドレスで作った前傾角度を崩さずにスイングできると、安定したショットを打ちやすくなるが、多くのゴルファーはインパクトで起き上がってしまう。
前傾キープしようとしても思うようにいかない場合、どのようなことに目を向けると、イメージ通りに前傾角度をキープしてスイングできるのだろうか。
ダウンスイングでボールと体の距離をとることができると、前傾角度をキープしやすくなるが、まずは、‟前傾キープ感”が表れているスイングを見てみる。
◆【動画プレーバック】JLPGA BEST PLAY OF 2024 に選出された政田夢乃のスーパーショット
■JLPGA BEST PLAY OF 2024 政田夢乃のショット
日本女子プロゴルフ協会の BEST PLAY OF 2024に、政田夢乃のショットが選ばれた。
そのショットは、8月のニトリレディスの16番パー3のティーショット。
上がり3ホールすべてバーディで優勝のチャンスあり、という試合の状況で、ピンまで160ヤード。ピンはグリーン左端に切られてあり、グリーンの左はすぐ池で、ピンを狙って少しでも左に曲がれば池に入るというホールローケーションだった。
政田は、ピンをデッド狙い、「ピンに絡めるにはここしかない」という地点にキャリーさせた。
結果、そのホールはバーディだったものの、17番と18番はパー。優勝した桑木志帆とは2打差の4位タイとなったが、近い将来の初優勝を期待させる16番ホールのティーショットだった。
政田のスイングは、インパクトでアドレス時の前傾角度がキープされている。さらに、インパクト後も前傾角度に沿った体の回転をしており、フィニッシュまで、背骨の傾きが変わらない。
政田はルーキーイヤーとなった昨季、この前傾キープのスイングで、パーオン率33位、ボールストライキング31位と、まずまずのスタッツを記録した。
■ボールと体の距離をとる
ゴルフでは、アドレスで前傾姿勢をとる。そして、その前傾角度をキープしてスイングすることで正確なショットを打ちやすくなる。しかし、一般ゴルファーにとって、ダウンスイングからフォロースルーで前傾角度をキープするのは難しい。
難しくなる理由として、クラブの遠心力(勢い)の存在があげられる。
ダウンスイングでは、クラブを後方(背中側)から前方(ボール方向)に勢いよく振る。そうすると、そのクラブの遠心力に体が持っていかれて、前傾角度が崩れやすくなる。
ダウンスイングで前傾角度を崩さないためには、ボールと体の距離をとり続ける必要がある。そのためには、遠心力に持って行かれないように、体はボールから遠ざかろうとする力を使う必要があるのだ。
アドレスからテークバック、そしてダウンスイングからフォロースルー。構えたその場で、前傾角度に沿うように体を回すには、方向を変えながら発生する遠心力に持っていかれないように、クラブと体の引っ張り合いが必要。
ダウンスイングでは‟前後の引っ張り合い”があることで、前傾角度がキープされる。
■一定のプリショットルーティーン
ベースとなるスイングが、ダウンスイングで前傾角度がキープされたものになったとしても、コースラウンドでそれを実行し続けられるかどうかはまた別の話し。政田の BEST PLAY OF 2024 のホールのような、プレッシャーを受けるロケーションでは、できるはずのスイングができなくなる場合がある。
前傾角度キープの部分でいうと、インパクトで起き上がってしまう場合がある。
多くのゴルファーは、プレッシャーがかかる場面では、スイングのチェックポイントが増えて素振りの回数が増えたり、アドレスに入ってからスイング始動までの時間が長くなったりと、ルーティーンが崩れる傾向にある。
プレッシャーがかかる場面でも、いつも通りの前傾角度がキープされたスイングをするためには、プリショットルーティーンを一定に保つ必要がある。
狭いホールのティーショットでも、池に囲まれた浮島グリーンに向かって打つ場合でも、いつも通りの手順、時間で始動したい。
素振りの仕方、回数、アドレス位置までの歩数、アドレスする手順、ターゲットを見る回数、ワッグルの回数など、すべての流れを一定に保つことで、どのような場面でも、いつも通りのスイングをしやすくなる。
プリショットルーティーンの型が無いゴルファーは、どんな流れのものでも良いから一つ作ってみると良い。最初はお気に入りのツアー選手のマネでも良いだろう。
ルーティーンの型ができてそれが体に馴染むほど、プレシャーに負けずにスイングしやすくなる。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。
ピン側にピタリ🏌️♀️
地元北海道出身のルーキー #政田夢乃 が16番でスーパーショットを披露🔥
この時点で2ホールを残して首位と2打差につけます💥📝スコア速報はこちらhttps://t.co/HL6wcIxN0o#ニトリレディス 🏆|Round4#JLPGA pic.twitter.com/29zm3KtpJu
— 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA) (@JLPGA_official) August 25, 2024