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メジャーリーグは15日(日本時間16日)、各チームレギュラーシーズン全162試合中120試合前後を消化した。ポストシーズン争いが激化するなか、同様に注目を集めているのが各部門のタイトルのゆくえだ。
現在ナ・リーグ首位打者に立つのが、パドレスの安打製造機ルイス・アラエス内野手。打率.307でトップだが、2位以降は全員が3割未満という異常事態。華やかな打撃がクローズアップされがちなメジャーリーグだが、近年は「低打率化」が進んでいる。
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■今季のメジャー平均打率は「.244」
15日(同16日)の試合終了時点で、ナ・リーグの打率部門トップはアラエスの.307。2位以下はブレーブスのマルセル・オズナ外野手.298(.2982)、3位はダイヤモンドバックスのケテル・マルテ内野手.298(.2979)と続いている。ドジャースの大谷翔平投手は8月の不振が響き、同ランキング6位の.294に後退。いずれも、アラエス以外は3割未満に落ち込んだ。
米データサイト『Baseball Reference』によると、今季のメジャーリーグの平均打率「.244」は、1871年のプロリーグ発足以降でワースト7位タイの低打率。2015年にデータ解析システム『スタットキャスト』が導入されると、打者たちはより強く角度のある打球を飛ばすことに注力し、フライボール革命と呼ばれる意識改革が進んだ。
多少の三振は厭わず、長打で得点を狙うスタイルが定着し、2018年には平均打率が1969年以来の2割4分台に突入。以降は19年の.252を除き、毎年2割4分台を推移。22年には史上ワースト5位の「.243」を記録した。
一方で、今季の1試合平均得点「4.44」は、同じ打率.244を記録した1972年の「3.69」と比べてかなり多い。現代のメジャーリーグが求める打者像が反映された結果と言っていいだろう。1試合平均三振数「8.40個」は史上ワースト6位タイで、ワースト10全てが2015年以降となっている。
■ア・リーグも高打率は一部エリートたちのみ
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ロイヤルズのボビー・ウィットJr.(C)ロイター/USA TODAY Sports
ちなみに、今季ア・リーグの打率部門トップはロイヤルズのボビー・ウィットJr.内野手の「.349」、2位がヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手「.333」と高打率だが、ア・リーグ平均は「.242」で、ナ・リーグの「.246」よりもさらに低い。上位を争うエリート集団が、いかに突出しているかがわかるだろう。
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